コロナ禍の影響による政府の救済措置として設けられた「4 0 8 パンデミック・ビザ」(Subclass 408 Temporary Activity visa –Australian Government endorsed events (COVID-19 Pandemic event))ですが、導入されてから2年が経過した現在でも、申請者の受付がされています。日々の感染者数や渡航制限、経済的影響などを基に申請条件などが見直されており、これまでに幾つかの点において改正されてきました。
2022年3月時点での申請条件は以下のようになります。前述のように申請条件などは常に見直されますので、申請を検討する場合には、最新の情報を確認するようにしましょう。
■12カ月のビザ:
重要産業(農業、食品加工、ヘルス・ケア、高齢者ケア、障碍者ケア、チャイルド・ケア、ツーリズム、ホスピタリティー)で就労中または就労オファーをもらっている場合
■6カ月のビザ:
重要産業以外で就労中または就労オファーをもらっている場合
■3カ月のビザ:
就労していない場合
408パンデミック・ビザは、現在保持するビザが失効するまで90日を切っている場合、または失効後28日以内の場合に申請を検討することができます。
上記で挙げた主な条件に加え、基本的に以下のような条件も満たしている必要があります。
- 滞在期間中、生活費を補えるだけの資金があること
- 人格・健康状態に問題がないこと
- 滞在期間中、保険に加入すること
- あくまでも一時的な滞在であること
コロナ禍による過去2年間にわたる国境閉鎖、洪水などの自然災害による被害も重なり、多方面における人材不足問題が露呈してしまったオーストラリア経済。408パンデミック・ビザの条件緩和と同じよに学生ビザやワーキング・ホリデー・ビザの申請費用免除など、オーストラリアの働き手となり得る若者を呼び戻すための努力を政府は始めているようです。
ここ数年間でオーストラリア以外の国に流れてしまった若者層が、どこまでオーストラリアに戻ってくるのか。これからも目を離すことができません。
清水英樹
オーストラリアQL D州弁護士。在豪3 0年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営