頑張っているあなたへ/福島先生の人生日々勉強

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頑張っているあなたへ

 幼い子どもたちに、「将来、何になりたい?」と尋ねると、瞳をキラキラさせながら、楽し気に夢を語ります。ユニフォーム姿を絵に描いたり、店の設計図を作ったり、その姿は幸せに溢れています。1度きりの人生の中で、幼いころに憧れた職業に就くことはすばらしいことです。きっと夢を手に入れるまで、どんな苦労も厭いとわないでしょう。それほどに、夢や希望というものは、大きなモチベーションになります。本当に大変なのは、その後です。好きなことを仕事にするということの現実は、幼いころの想像をはるかに超えてくるからです。

 幼い自分が憧れていたその仕事は、圧倒的な輝きを放ち、子どもの目からは楽しそうにしか見えなかったはず。ところが、実際に働いてみると、やりたくないこともあり、もめ事も起き、失敗したり、落ち込んだり、苦難はもれなくどこまでもついてきます。しかし、そうした葛藤をネガティブに捉える必要はありません。たとえ失敗して悩んで落ち込む日々が続いても、夢を叶え、毎日一生懸命に頑張っている自分のその志と忍耐力以上にすばらしいものなど、世界のどこにもないからです。

 自分のしていることが本当に合っているのか、もう辞めてしまおうかと心がグラグラすることもあるでしょう。すると、自分の心の弱さを見た気がして、特に頑張り屋で完璧でありたい人は、すぐに自己嫌悪へと向かってしまいます。しかし、このグラグラの心は長所の裏返しでしかありません。100%の努力をして、最高の結果を目指すからこそ、0.001%の欠けを悔い、自分の能力のなさに苛立つのです。そして、自分はその仕事に向いていないと思ってしまう。一生懸命に頑張っているだけなのに。

 つまり、自分の選んだ道を進み、夢の途中で心を痛めている人は、とても立派な人物に違いないということです。ただ私たちは、昔と違ってマルチタスクを求められる忙しい現代に生きています。そのような環境において、全ての仕事を100%こなすのは無理というものです。無理がたたって倒れてしまっては、元も子もありません。夢が潰えてしまいます。100%の努力はしましょう。一生懸命にやることは大事です。でも、結果には100%を求めない。夢に限らず、他人にも、家族にも。それが幸せな夢を見続ける秘訣です。クヨクヨと考えてしまって眠れないという人も、100%頑張っているのであれば、「私はすごい!」と言いながらベッドに入りましょう。100%の頑張り以上にすばらしいことなんて、この世にないのですから。

このコラムの著者

教育専門家 福島 摂子

教育専門家 福島 摂子

教育相談及び、海外帰国子女指導を主に手掛ける。1992年に来豪。社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命とした私塾『福島塾』を開き、シドニーを中心に指導を行う。2005年より拠点を日本へ移し、広く国内外の教育指導を行い、オーストラリア在住者への情報提供やカウンセリング指導も継続中

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