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バレエ・ダンサーは“足もと”が命!?/QLDバレエ団 合々香と弘平のグランパドドゥ 第14回

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第14回 バレエ・ダンサーは“足もと”が命!?

『くるみ割り人形』で、雪の女王と王のパドドゥでプロムナードをする本コラムの筆者両名(Photo: David Kelly)

 こんにちは、QLDバレエ団の吉田合々香です。

 前回は、動物に関連する「Pas(仏語:ステップ)」について紹介しましたが、今回も、もう少しだけPasについてお話しします。

 “Promenade”と呼ばれるPasはフランス語で“散歩”を意味し、片脚を上げてポーズを取ったまま、その場から移動せずに軸足でゆっくりと回る、優雅な散歩を連想させる動きです。『ジゼル』の2幕で見られるように、女性がつま先立ちをしない状態で、1人で1周ポーズを見せて回る場合もあります。

 また、『ドン・キホーテ』の結婚のシーンのように、女性が男性に支えられた状態でポーズを取り、つま先立ちのまま1周または数周ゆっくりと回ることもあります。ゆっくりと少しずつ回転する中で、ポーズがブレないように片脚で体を支え、まるでオルゴール人形のようにスムーズに回ることが求められ、かなりの難易度です。

 “Manège”は、連続したジャンプや回転で円の軌跡を描くことを指し、遊園地で見られる“あるもの”を連想させるものなのですが、皆さんお分かりですか。そう、“メリーゴーラウンド”。これは、作品の中で最後の盛り上がりであるクライマックスでよく見られます。

 例外もたくさんありますが、男性はジャンプのコンビネーション、女性は回転の連続で”Manège”を構成するのが通常です。例えば、12回のジャンプで”Manège ”を行う場合は、6回目までに半円を描き、残りの6回でセンターまで移動するなど、難しいジャンプをこなしながら、いかに奇麗な円をスムーズに描くかを頭の中で計算して踊ります。

 ぜひ、次のバレエの舞台鑑賞の時には、これらのPasに注目してみてくださいね。

このコラムの著者

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吉田合々香(よしだねねか)/QLDバレエ団プリンシパル・アーティスト

金沢市出身。欧州に4年間留学後、2014年QLDバレエ入団のためにブリスベンに移住。平日はバレエ漬け、週末はお菓子作りや居心地の良いカフェでの時間を楽しむ。リラックス方法はおいしい和食を食べ、お風呂に浸かり、アロマを焚いてぐっすり眠ること。好きな映画は『ジュリエットからの手紙』。

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