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オーストラリア「永住権」への近道─地方移住暫定ビザ(サブクラス491)、州ノミネーション技術移住ビザ(サブクラス190)

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 本シリーズでは、オーストラリアのビザの専門家に「永住権」を取る近道となるビザについて紹介していく。今回は、地方移住暫定ビザ(サブクラス491)、州ノミネーション技術移住ビザ(サブクラス190)について、特に南オーストラリア州に強みを持つ、TK Migrationの角倉卓馬氏に話を聞いた。

地方移住暫定ビザ(サブクラス491)

ビザの目的やメリット、どのような方々が対象なのか教えて下さい。

 オーストラリアから申請する場合、リージョナル地域に住んでいること、働いていることが条件になることが多いタイプのビザで、ポイント制となっています。総計65ポイントが必要なのですが、州政府や特定の地域に住む親族にノミネートしてもらうと、15ポイントの取得が可能です。また、サブクラス189の独立技術ビザでは、職種ごとにポイントの高い人から招待され、ノミネートできる職種は、職業リストのMedium and Long-term Strategic Skills List(MLTSSL)にある200種ほどに限られています。しかし、州政府にノミネートしてもらえば、MLTSSLやShort-term Skilled Occupation List(STSOL)、Regional Occupation List (ROL)の400以上ある職種まで幅が広がります。また、その他のメリットとして、このビザを取得すればメディケアにも加入できます。 

ビザの申請条件(年齢や英語力、掛かる費用など)、及び申請に必要な書類は?

 このビザの申請条件は、年齢が45歳未満、最低必要ポイントは65ポイントです。州によっては、まずExpression of Interest(EOI)を申請。ポイントの高い人からノミネーションを招待しているところもありますが、現在南オーストラリア州で働いている場合、ポイント・テストで65ポイント、そしてそれぞれの職種ごとの条件を満たしていれば、ビザ申請者が州政府にノミネーション申請することが可能です。

 他州の学校を卒業している場合は、条件が少し厳しく設定されているため、南オーストラリア州で永住ビザを目指す場合、南オーストラリア州の学校に行くのが望ましいです。職種によっては、より高い語学力を求められる場合もありますが、通常Competent Englishの語学力が必要です(Competent EnglishはIELTSの場合、全てのセクションで6ポイント必要。PTE Academicの場合、全てのセクションで50ポイント必要)。ビザ申請料は、メイン申請者が$4,240、18歳以上の家族は$2,120、18歳未満の家族は$1,060掛かります。その他、翻訳料や技術査定申請料、無犯罪証明申請料や健康診断などの費用が掛かります。主な必要書類として、パスポートや語学力の証明、技術査定の結果、申告したポイントをサポートする証拠などがあります。

ビザの申請手順、永住権取得までに掛かる日数は?

 まず技術査定にパスする必要があります。査定機関や条件は、ノミネートする機関により異なります。語学力や必要なポイント、技術査定など、全ての必要条件を満たし、移民局のウェブサイトからEOIの申請を行います。サブクラス189の独立技術ビザでは、職種ごとにポイントの高い人からビザ申請が招待されるため、いつ招待を受けられるかは分かりません。しかし、このビザでは、州政府のノミネーションが下りた時点で、EOIからビザの招待が届きます。招待が届いて、初めてImmiaccountからビザの申請が可能になります。ビザ申請後の審査期間は、79日以内に25%のビザが審査され、12ヵ月以内には90%のビザが審査されています。優先順位に関しては、Ministerial Direction No 100が有効で、現在、医療や教職関係、国外からの申請が優先審査されているようです。最新の情報は下記、移民局のウェブサイトで確認を。

https://immi.homeaffairs.gov.au/news-media/archive/

州ノミネーション技術移住ビザ(サブクラス190)

ビザの目的やメリット、どのような方々が対象なのですか?

 州ノミネーション技術移住ビザは「永住ビザ」です。それぞれの州 ・準州で、ノミネーションの条件が地方移住暫定スポンサー・ビザよりも厳しく設定されています。対象は、州政府の設定した条件を満たした人となります。州ノミネーション技術移住ビザでは5ポイントが取得可能なため、技術独立ビザで5ポイント足りない人も、州政府のノミネーションを受けることにより、ビザの条件を満たすことが可能になります。他には、州政府にノミネーションをしてもらうことにより、EOIから招待を受けることができます。

ビザの申請条件(年齢や英語力、掛かる費用など)、及び申請に必要な書類は?

 必要書類などは、上述の地方移住暫定ビザと同様です。

ビザの申請手順は?

 申請手順などは、上述の地方移住暫定ビザと同様です。

専門家から見る、オーストラリアのビザ事情の今後の動向をお聞かせください。

 新型コロナウイルスの影響で、移民が減少し、現在は多くの業種で人材不足が問題になっています。人材不足を解消するため、アルバニージー首相は「オーストラリアはグローバルな労働市場でより魅力的になる必要がある。その方法の1つが永住権につながる道を作ること」という主旨の話をしており、特に、シドニー、ブリスベン、メルボルン以外のリージョナル地域では、永住ビザを取得しやすくなると思います。実際、2022-23年度の移民プログラムでは、当初のプログラム数は16万件予定されていましたが、19万5,000件に増えています。

https://www.skynews.com.au/australia-news/politics/anthony-albanese-increases-permanentmigration-program

TK Migration

角倉卓馬
■Web: https://tkmigration2.com
■Email: takuma.kadokura@gmail.com

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