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ダンサーのメイクアップ─QLDバレエ団 合々香と弘平のグランパドドゥ 第19回

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Photo: David Kelly

 時々、ショッピング・モールやデパートでメイク用品を購入することがあります。日々の美しさを追求するためのメイクではなく、僕たちダンサーにとってメイク用品は仕事に欠かせません。

 舞台公演で役者が遠くの観客に表情を伝えやすくするためにメイクアップするように、バレエ・ダンサーも役柄によりメイクを変えることを日頃より行っています。

 僕のベーシックのメイクは、まず、ドーランを顔全体に塗り、茶色のアイライナー(鉛筆)で二重を書いたのをアイシャドウでぼかし、黒のアイライナーで目のふちを大きく書きます。

 そして、眉を書き、鼻を少しシャドウで立たせ、チークにシャドウを入れて、仕上げにパウダーを全体にブラッシングしたら完成。

 客席との距離によって、メイクの濃さを変えたりもします。

 これまでいろいろな役を踊り、それに伴いさまざまなメイクアップを自分でやってきました。QLDバレエでは、専門のメイクアップ・アーティストとウィグアー・ティストが雇われ、舞台の質を高めつつダンサーが舞台に集中できる最高の環境が整っています。例えば、2018年に公演した『ラ・バヤデール』で黄金の仏像という役を踊った時には、1人では到底できないようなメイクを経験しました(写真参照)。

 それは全身を金でペイントするという何とも大胆でちょっと恥ずかしいメイク。衣装は、ブリーフの形をしたパンツと、胸当て、二の腕をカバーする甲冑、頭にはかぶり物。そこから全身を金で塗りたくると、黄金ダンサーの出来上がり。

 踊りや衣装が目立つバレエですが、メイク1つひとつにもこだわりがあるので、今後はそんなところもチェックしてみてくださいね!

このコラムの著者

岩本弘平/QLDバレエ団シニア・ソリスト

兵庫県伊丹市出身。11歳からバレエを始め、18歳でメルボルンのオーストラリアン・バレエ・スクールに入学。その後、ロイヤルNZバレエ団を経て、2018年にQLDバレエ団に移籍。趣味はウクレレ、スポーツ観戦、睡眠、日本のお笑い。祖母の手作り水餃子の味を懐かしみながら、大好きなウィスキーのグラスを傾ける。

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