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プロのダンサーとしてキャリアをつかむ方法─QLDバレエ団 合々香と弘平のグランパドドゥ 第20回

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第20回 プロへの切符、バレリーナの“就職活動”

ドラマティック・バレエの代表作『マノン』で主演を務める(Photo: David Kelly)

 皆さん、こんにちは。QLDバレエ団の吉田合々香です。

 今回はバレリーナが、どのようにしてプロとしてのキャリアをつかむのかをお話ししたいと思います。

 世の中のあらゆる職業と同じく、バレリーナ志望の学生も“就職活動”を経てプロのキャリアをスタートさせます。バレエ・ダンサーの就職活動は大きく分けて3種類。最も多いのは“オープン・オーディション”です。各バレエ団がオーディションを開催し、書類審査を通過した参加希望者が現地に集い、クラス(基礎練習)やソロを披露して審査されます。

 “プライベート・オーディション”は、オープンの日程に現地に行けない場合など、バレエ団に直接交渉して許可が降りれば、バレエ団の実際のクラスに参加して既存の団員に混じって踊る様子を審査されます。

 最後は“スカウト”。これは、世界各地で行われるコンペティションで見られ、大会の審査員を務めるバレエ団の芸術監督や関係者が、必要とする人材をスカウトします。

 多くのバレエ団では、所属ダンサーの数が決まっています。毎年、引退や退団したダンサーの数によって生じる欠員の補充分だけ募集されます。どんなに実力があっても、その年に希望のバレエ団の雇用枠がなければ就職はできません。

 また、世界各国のバレエ団の数は、それぞれの国内で非常に限られていて、就職・転職先によっては他国への移住を強いられることもあり、生活や環境が大きく左右されます。

 バレエ・ダンサーの就職の道のりは十人十色。努力・情熱・実力はもちろんですが、運や縁も重要になってきます。

 次に公演にいらっしゃる際には、舞台上のダンサー1人ひとりの就職物語なども“予習”して観て頂くと、またいつもと違う見方でバレエを楽しめるかもしれませんね。

このコラムの著者

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吉田合々香(よしだねねか)/QLDバレエ団プリンシパル・アーティスト

金沢市出身。欧州に4年間留学後、2014年QLDバレエ入団のためにブリスベンに移住。平日はバレエ漬け、週末はお菓子作りや居心地の良いカフェでの時間を楽しむ。リラックス方法はおいしい和食を食べ、お風呂に浸かり、アロマを焚いてぐっすり眠ること。好きな映画は『ジュリエットからの手紙』。

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