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年齢に合ったバレエのレッスン①/QLDバレエ団 合々香と弘平のグランパドドゥ 第21回

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バレエを始めるならいつがいい?(前編)

『ジゼル』より、ジゼルを愛すアルブレヒトを踊る筆者(Photo: Bill Copper)

 僕が担当する今回とその次は前編・後編の2回に分け、バレエを始める時期について思うところをお届けしたいと思います。

 プロになってからよく聞かれるのが、「いつからバレエを始めましたか?」という質問です。

 体がとても硬かった僕がバレエを始めたのは11歳の時で、毎週レッスンに行くのが楽しみでしかたなかったのを覚えています。しかし、同学年の子たちは既にバレエ歴5年以上、開脚もしっかり180度。3歳からバレエ教室に通っている子がいて、とても上手な踊りにいつも見惚れていました。

 バレエを踊るにあたって、重要な要素はたくさんあります。例えば、バレエ特有の体のラインを出すための柔軟性や、安定した踊りを実現させるためのフィジカル、そして音楽に乗って踊る感覚など。そして、正しい体の使い方を習得できれば、奇麗なボディ・ラインの維持やけがのリスクの軽減ができるので、その終わりなき追求はプロになっても続きます。

 年齢によって、大きく異なるバレエのレッスン。5歳くらいまではとにかく音楽に乗って踊るレッスン、体の部位を意識して動かせるようにするためのレッスンが行われます。

 そして、幼少期に欠かせないのが、まだ体が柔らかい内に行うストレッチ。保護者からしてみると、バレエとはかけ離れたレッスンを目の当たりにして困惑する人もいらっしゃいますが、バレエとはそういった積み重ね、そして体に尋常ではないストレスが掛かるので、体を少しずつ慣らしていくことは重要です。

 更に、女の子は、ポワント・シューズを履くまでにバレエのステップ、体の使い方をみっちり練習します。教室によって基準は違いますが、ポワント・シューズを履き始める時期は、だいたい中学1年生くらいから。やはり、ポワント・シューズで踊ると、体、特に膝から下の部位に大きな負荷が掛かるのが、その年齢になって履き始める理由の1つだと思います。

 以前、試しにポワント・シューズを履いたことがありますが、つま先が痛いのなんの。そして、ポワント・シューズならではの足首、膝下の体の使い方。あれを履いて1日中踊っている女性は、やっぱり本当に偉大です! 

 ということで、続きは2カ月後に。またお会いしましょう。

このコラムの著者

岩本弘平/QLDバレエ団シニア・ソリスト

兵庫県伊丹市出身。11歳からバレエを始め、18歳でメルボルンのオーストラリアン・バレエ・スクールに入学。その後、ロイヤルNZバレエ団を経て、2018年にQLDバレエ団に移籍。趣味はウクレレ、スポーツ観戦、睡眠、日本のお笑い。祖母の手作り水餃子の味を懐かしみながら、大好きなウィスキーのグラスを傾ける。

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