カーテン・コール
皆さんこんにちは。QLDバレエ団の吉田合々香です。
今回は舞台後のあいさつ、いわゆる「カーテン・コール」についてお話しします。
ミュージカルや演劇の公演で、舞台後に音楽に合わせて出演者が再び登場してあいさつで締めくくる様子をご覧になったことがある人も多いのではないでしょうか。バレエの舞台では音楽は掛かりませんが、同じようにカーテン・コールが存在します。
作品によってさまざまですが、基本的には群舞が始めにレヴェランス(お辞儀)をしてから、次々と主役陣が登場して客席の盛り上がりもどんどん増していきます。演出にもよりますが、終演後物語が完結した後でも、カーテン・コールではそのキャラクターになり切ったお辞儀が見られることが多く、最後まで目が離せません。
9年前にバレエ団に入団して、プロのバレエ・ダンサーとして初めてカーテン・コールをした時のことは忘れられません。プロとして舞台に立つ夢が実現した達成感と、お客様からの温かい拍手、劇場の一体感を肌で感じ、とても感動しました。それからは「いつか一番最後に登場して、一番前でお辞儀をしたい」と先輩バレリーナたちの背中越しに客席を見ながら、新たな夢を抱いていました。
カーテン・コールは、舞台の間は真っ暗な客席にも少し照明が当たるので、お客様の表情がこちら側から見られる特別な瞬間でもあります。もし、ダンサーたちが最高のパフォーマンスを届けてくれた際は、ぜひ、「Bravo」と大きな声援を届けるか、またはスタンディング・オベーションで気持ちを届けてあげて下さい。きっと彼らの大きな励みになります。
映画のエンド・ロールとも言えるカーテン・コール。舞台にいらっしゃる際は、ぜひ、それぞれのレヴェランスにも注目してみて下さいね。
このコラムの著者
吉田合々香(よしだねねか)/QLDバレエ団プリンシパル・アーティスト
金沢市出身。欧州に4年間留学後、2014年QLDバレエ入団のためにブリスベンに移住。平日はバレエ漬け、週末はお菓子作りや居心地の良いカフェでの時間を楽しむ。リラックス方法はおいしい和食を食べ、お風呂に浸かり、アロマを焚いてぐっすり眠ること。好きな映画は『ジュリエットからの手紙』。