検索
Close this search box.

バレエの真髄!? コール・ド・バレエ③/QLDバレエ団 合々香と弘平のグランパドトゥ 第28回

SHARE
QLDバレエ公演『ラ・バヤデール』影の王国のシーンでのコール・ド・バレエ(© David Kelly)

 皆さん、こんにちは。QLDバレエ団の吉田合々香です。
 前回は “Corps de Ballet(コール・ド・バレエ=群舞)”の魅力についてお話ししました。今回は、どのようにダンサーたちが一糸乱れずに群舞を成し遂げているのか、リハーサルの裏側を少し紹介しようと思います。
 まずは、技術面やフォーメーションを難なくこなせるように体に振り付けを叩き込むことから、細かく地道な作業が始まるのです。以前お話ししたように、コールドはあくまで全員でいかに息をそろえるかが美しさに直結します。

 例えば、ふと出す足の高さは床から45度なのか90度なのか。はたまた、その間なのか。腕を上げる時には体の近くを通るのかそれとも横を通って上げるのか。登場から舞台を去るまでの全ての全身の動きを分解して、動きのニュアンスまでぴったりとそろえる必要があるのです。





 更に、音楽性もとても重要な要素となります。ジャンプやポーズのタイミングだけでなく、つなぎのような動きまで、決められた音楽のカウントに合わせます。

 主役のソロの間など、音楽がない状態で、一斉にポーズを変えることもあります。音楽が鳴り終わってから何呼吸置いて、次のポーズに移るのかなども細かく話し合います。
 最後に、場所取りもとても大切になってきます。大勢のダンサーが一糸乱れず列を成す姿は息をのむ美しさです。フォーメーションに関しても同様で、1つひとつの形につき、舞台上に付けられた数個のマークを頼りに常に自分の正しい位置を理解し、計算しながら踊ることが必要不可欠なのです。
 どのバレリーナも、まずはコールドの厳しい訓練から下積みが始まります。バレエは自分1人ではなく、舞台に立つ全員の力で成り立つもの。周りに対して敬意と協調性を持って接することが舞台上での立ち振る舞いや踊りに表れてくるのです。
 いかがでしたでしょうか。バレエを観覧する機会があれば、ぜひコール・ド・バレエにも注目してみてくださいね。

このコラムの著者

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: NA2107_BALL_B-2.jpg

吉田合々香(よしだねねか)/QLDバレエ団プリンシパル・アーティスト

金沢市出身。欧州に4年間留学後、2014年QLDバレエ入団のためにブリスベンに移住。平日はバレエ漬け、週末はお菓子作りや居心地の良いカフェでの時間を楽しむ。リラックス方法はおいしい和食を食べ、お風呂に浸かり、アロマを焚いてぐっすり眠ること。好きな映画は『ジュリエットからの手紙』。





SHARE
文化の最新記事
関連記事一覧
Google Adsense