名古屋市の松雄俊憲副市長と代表団が、コロナ禍を経て4年ぶりにシドニーを訪れた。1980年から姉妹都市関係を結んでいる名古屋市とシドニー市は1996年に東山動物園とタロンガ動物園が、2012年に名古屋シティ・マラソンとシドニー・マラソンが姉妹提携し、その他にも名古屋市の高校生との交換留学などを通してさまざまな交流が行われてきた。そして今年からは、舞鶴中央図書館とカスタムハウス図書館の図書交流が始まった。
12月13日にシドニー市役所を表敬訪問した松雄副市長と代表団は、9月に就任したロバート・コックシドニー副市長とあいさつを交わし、記念品の交換と新たに始まった図書交流協定に署名。両市は今後も末永く交流を続けていくことを約束した。
名古屋市に造詣が深いロバート・コック副市長は「実際に対面で話ができるのはうれしいことです。文化交流は非常に重要なことだと考えているので、これからも盛んな交流が続くことを願っています」とスピーチし、シドニーで日本文化や日本食がとても人気があるこや、数週間前に開催された「Japan Expo」では長蛇の列ができるほど大盛況だったことなどに触れた。
松雄副市長も「今後も末永く友好関係を継続していくとともに、世界中から観光客が訪れるシドニーの街づくりや雰囲気を参考にしていきたいです」と述べ、今回のシドニー訪問によりカスタムハウス図書館だけではなく、オーストラリアン博物館との交流も始まったことを報告。タロンガ動物園から東山動物園にコアラが贈られて40年目を迎える2024年は、ぜひシドニーから関係者を名古屋に招待して祝いたいと話した。
今回、名古屋市からシドニー市へ贈られた記念植樹のプレートは、姉妹都市提携40周年にあたる2020年にハイドパークの名古屋ガーデンに植樹予定だった馬酔木(あせび)と椿について書かれたもので、コロナ禍の影響により延期されていた植樹は、2022年12月になってから行われた。
また、11日にカスタムハウスで行われた図書交流の式典では、名古屋に関する本とシドニーの歴史や建築などに関する本10冊ずつを交換し合い、日本の本や漫画などが置かれたジャパニーズ・コレクションの一画に設置された名古屋シドニー姉妹都市コーナーも紹介された。
名古屋シドニー姉妹都市交流コーナーには名古屋市から贈られた書籍とともに名古屋のキャラクターや折り紙で作られたコアラなどが飾られており、シドニーで活動する名古屋市出身の折り紙作家ファーズみどり氏に、松雄副市長から感謝状が贈られている。