ただし、認可受けた製品が出回るのは半年先
2月1日より低用量カンナビス・オイルが処方箋無しで薬局の店頭で買えるようになる。ただし、医薬管理局(TGA)の認可を受けた製品がまだ存在しないため、製品が出回るのは早くとも半年先になる。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
一方、メーカー側は一刻も早くTGAの認可を得るため一刻を争う勢いで商品開発を進めている。
カンナビス・オイルは大麻の油脂成分を抽出したもので鎮痛作用などがある。鎮痛作用以外の効能も言われているがまだ実証されていない効能が多い。
国内医療用大麻産業のスペシャリスト、FreshLeaf Analyticsでは、この分野は年額2億ドルの市場と推定され、最初に製品の認可を受けて薬局の商品棚に並べるのに成功した企業は大きく有利になるとしている。
2020年12月、TGAは、「カンナビス・オイルの低用量カンナビディオール(CBD)を薬局の店頭で処方箋無しで販売できるようにするため、用量を1日150mgに限定する」と発表した。
これに対して、豪医師会(AMA)は、カンナビディオールを処方箋無しで販売することに反対している。
CBDは、大麻の油脂成分だが、いわゆる麻薬成分のテトラヒドロカナビノール(THC)とは異なり、また、CBDを抽出するための大麻草にはTHCは含まれていない。そのため、世界保健機関のレビューでも濫用や依存症は見られなかったとしている。
Cannabis Doctors Australia創立者で取締役を務めるドクター・ベン・ジャンセンは、「臨床研究でもCBDには不安、不眠症、PTSD、痛みを和らげる効力が実証されている。CBDは患者の4人に1人にとって大きな生活改善につながっている。大麻というと悪魔のドラッグのようなイメージがあるが、CBDはそのようなものではない。しかし、薬局で販売できるようになるまでには少なくとも200万ドルの経費と十分なデータを揃えなければならない」と語っている。
■ソース
‘We know it works’: Cannabis oil firms chase approvals as over-the-counter sales are legalised