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働く理由について考える/セクレタリーの“ヒショヒショ話”

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第24回:良い仕事って何?

 「この仕事はお好きですか?」大阪で働いていたころ、海外から出張で来ていた人にそう聞かれた。「はい」と即答できなかった私は、その後ずっと自分に問いかけていた。

 私はこの仕事が好きでやっているのだろうか?自分に合っているのだろうか?自分の人生で大切なものは一体何なのだろう?

 私は、「エグゼクティブ・セクレタリー」になりたかった。だけど、実際は「自分が抱いていたイメージとのギャップに悩んでいるのではないか」「自分の仕事を通じて社会貢献できていると感じたことはあっただろうか」と考えた時、この仕事は違うと思った。いや、仕事そのものよりも、自分の生活環境が良くないことが分かった。朝起きて、仕事に行きたくないと感じること程、社会人として悲しいことはない。

 もちろん、生活をしていくためには、皆仕事をしなければならない。そして実際、自分の好きなことを仕事にできる人は非常に少ない。我々の仕事には、生活が掛かっていて、家族を養っていくためには、やりたいことを自由に選べなのが世の常である。だから、仕事は辛くてあたり前。

 だけど当時20代の私にとっては、とにかく自分のことが第一で、人生をどう生きたら良いのかを悟ることが重要に思えて仕方なかった。

 一方、シドニーで働くシングル・マザーだったころ、私はとにかく家賃を払っていかなければならず、娘が高校を卒業するまでは働いて生計を立てなければならなかった。仕事をする、しないの選択の余地はなく、働き続けないといけない状況であった。

 しかし、毎日仕事をすることで、新しいことを学んで身に付けることができた。何事にも挑戦して、それを同僚と分かち合い、たくさんの人との出会いもあった。そして何よりも「やりがい」を感じることができた。自分の仕事を通じて社会に貢献できる、そのことが本当にすばらしいと思った。

 それが仕事の良いところ、まさに「良い仕事」であると言える。

 あなたは、自分の仕事について自信を持って語ることができるかな?

ミッチェル三枝子

ミッチェル三枝子

高校時代に交換留学生として来豪。関西経済連合会、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に勤務。1992年よりシドニーに移住。KDDIオーストラリア及びJTBオーストラリアで社長秘書として15年間従事。2010年からオーストラリア連邦政府金融庁(APRA)で役員秘書として勤務し、現在に至る

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