連邦政府、6件のコロナウイルス新研究に1,000万ドル

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極低温保管を必要としないワクチン開発2件など

 1月3日、連邦政府は、6件のコロナウイルス関係新研究に合計1,010万ドルの研究助成金を交付すると発表した

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 コロナウイルス・ワクチン関係では、アメリカで開発されたワクチンのような零下70度という極低温保管を必要としないワクチン2種の臨床治験に150万ドルが交付される。

 メルボルン大学の研究チームは、mRNA技術を採用しながら、極低温保管を必要としない「次世代」ワクチンの治験を進めている。

 mRNA技術に基づくワクチンは、新しく発見されたウイルスの遺伝子シーケンスが判明すれば直ちに開発に取りかかることができ、試験管の中で化学物質を混ぜ合わせることで大量安価迅速な製造が可能になる。

 それに比べて従来のインフルエンザ・ワクチンは鶏卵を使ってつくらなければならないのが普通であり、経費がかかる上に製造が難しく、最終段階でワクチンを分離する前に失敗する可能性もある。

 しかし、アメリカの食品薬物管理局(FDA)から認可を受けたばかりのファイザー社のようなmRNAワクチンの普及が難しいのはワクチンを零下70度で保管しなければならないことで、貧しい国などでは接種活動に困難が伴う。

 グレッグ・ハント連邦保健相は、「2021年半ばまでには18歳から75歳までのボランティアを募集し、メルボルン大学での2種の次期ワクチンの臨床試験を迅速に進めることになる。前臨床試験段階で得られた結果は非常に有望であり、今後さらにラボ段階から人間への治験段階へと展開することができる」と語っている。

 ハント大臣は、「メルボルン大学のテリー・ノーラン教授が指導するこのプロジェクトを含めてメルボルンで3件、全国で6件の研究プロジェクトが、コロナウイルス関係の有望な臨床試験として連邦研究助成金の対象になった。臨床試験は今年初めから実施されることなっている」と発表している。

 シドニーでは、NSW大学の研究チームが、「スタチンを使った、コロナウイルスの神経学的な快復」研究に230万ドルの研究助成金を受けることになった。
■ソース
$10m in federal grants to fund six new COVID-19 research projects

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