ミャンマー開発研究所所長兼経済顧問
2月1日、ミャンマー軍部がクーデターを起こし、民主選挙で勝利した文民政府を転覆した。それに伴い、軍部はアウンサンスーチー氏も逮捕したが、その後、アウンサンスーチー氏の経済顧問を務めるオーストラリアンも逮捕拘束していることが報道された。
ABC放送(電子版)が伝えた。
逮捕拘束されているのは、ショーン・ターネル教授で、教授はMyanmar Development Institute所長を務めており、ミャンマーの軍部のクーデターについて、「胸の痛む事件だ」と語っている。
ターネル教授はBBCとの通信で、「現在拘束されている。何らかの容疑で起訴されると思うが、クーデターではどんな容疑でもありえる。拘束されており、軍部の扱いは丁重だがもちろん何の自由もない」と語っている。しかし、ABC放送は、その後、教授への連絡はつかなくなっていると伝えている。
11月8日の全国選挙でスーチー氏の国民民主連盟(NLD)が圧倒的な勝利をおさめたが、軍部は「不正選挙」の口実でスーチー氏を逮捕し、文民政府を覆していた。
一方、ターネル教授は2017年にミャンマーの首都、ネーピドーにMyanmar Development Instituteを設立し、所長としてその地で事業を行ってきた。ターネル氏はシドニーのマコーリー大学の経済学教授を務めており、以前には中銀(RBA)の主任アナリストを務めていたこともある。
マコーリー大学広報担当者が声明を発表し、「ターネル教授は大学経済学部の重要かつ名声の高い一員だ。大学は教授の逮捕について深く憂慮しており、ミャンマーにおける教授の事業を支持し、一刻も早い教授の解放のためにオーストラリア政府の努力を支援するものだ」と述べている。
マリス・ペイン豪外相は、「オーストラリア人その他の外国人がミャンマー国内で逮捕されたことを深く憂慮している。ミャンマーのオーストラリア人に対しては領事援助を行っている。特に、警察に拘置されているオーストラリア人に対して深刻な懸念を抱いている。政府はミャンマー大使を召喚し、今回の一連の事件についてオーストラリア政府の深い憂慮を伝えた」と発表している。
ターネル教授はツイッターに投稿し、「インターネットはつながったり切れたりしているが、ミャンマーの友人達の憂い顔は晴れることがない。胸をかきむしられるような思いだ。ミャンマー経済にとっても破滅的な事件だがそれはずっと後のことだ」と語っている。その後、ミャンマー軍部はフェースブックなどもカットした。
ミャンマーのクーデターでは、オーストラリアのビール・ブランドを抱えるライオン社の親会社、日本のキリン・ホールディングが、ミャンマー軍部と関係のある企業、Myanma Economic Holdings Public Company Limited」との提携を解消すると発表している。また、ライオン社は、Tooheys、XXXX、Little Creatures、Iron Jack、Hanh、James Squire、James Boag、Byron Bayなど有名なビール・ブランドを抱えている。
■ソース
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