国内情報機関、ASIO局長の談話
国内情報機関ASIOが年次報告を出したばかりだが、マイク・バージェスASIO局長がシドニー・モーニング・ヘラルド紙とエージ紙のインタビューに答えている。
3月19日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
バージェス局長は、「数か国のスパイがオーストラリア国内トップ企業の通商機密を盗もうとしていた。外国のスパイは主にオーストラリアの鉱業と農業を狙って暗躍し、オーストラリアが中国との貿易から他の国々との多角的な貿易に軸足を移そうとしている機密情報を探ろうとしている」と語っている。
また、バージェス局長は、「ASIOは防諜機関であり、2020年12月の新法で与えられた権限を利用し、令状なしで車に追跡装置を取り付けることもしており、また、外国のスパイに強制尋問する権限も初めてこれから使うことになると語っている。
さらに、「国内の様々な輸出産業、研究産業も外国の諜報機関に狙われている。オーストラリアは、これまで貿易で大きな比率で中国に依存していたが、過去1年の間に中国側が総額で200億ドルを超える貿易関税を突きつけてきたため、過度の中国依存を終わらせることを模索している。そんな時に外国のスパイが大挙してやってきており、「貿易産業、研究産業の内部情報を探っている。場合によっては知的財産を狙っていることもあるが、実際のところはビジネス取引の情報が目当てであり、企業の事業、企業組織の動向、オーストラリア政府の政策に対する感触などからオーストラリア政府の対応までを探っている」と語っている。
3月17日に発表した年次の外国の脅威評価報告でバージェス局長は、「外国の諜報機関は、オーストラリアの基幹輸出産業、技術産業、研究産業などの情報を探っている」と述べている。
バージェス局長は、「2020年、外国の諜報機関の『スパイの巣』が、連邦のセキュリティ・クリアランスを受け、防衛技術の極秘情報にも触れることのできる人物と懇意になり、スパイ組織に組み込んだ」と語っており、また、「2020年にはそのスパイの巣を国外追放した」としている。
■ソース
‘They’re coming in’: Foreign spies targeting Australian resources sector