連邦議事堂のITに重大な原因不明の故障

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通信諜報機関ASDも議会運営庁と共同捜査

 この週末、連邦議事堂内のITに重大な故障が発生し、議事堂内の事務所では電子メールなどが完全に不通になっている。この事態を重大視した政府は通信関係諜報機関の豪通信総局(ASD)が連邦議事堂を運営する議会運営庁(DPS)と共同で捜査を始めている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 連邦政府はこの事故について、サイバー攻撃という言葉は使っていないが、この事故で連邦議事堂のITシステムがかなりの被害を受けたことは認めている。

 また、この共同調査に近い筋は、「ハッカーはDPSのシステムに入り込もうとした様子だがかなり不手際な手口のようで、システムそのものがハッキングを感知し、このような事態に備えて設計されているシャット・ダウン・システムが作動し、外部プロバイダーとの回線を遮断した。攻撃はそれほど高度な技術ではなかったようだ」と語っている。

 アンドルー・ヘイスティー国防副大臣は、「ASDがDPSと協力して捜査している。豪サイバー・セキュリティ・センターもDPSと協力して捜査を進めており、状況を観察している。事故が起きた後、政府は迅速に対応した。オンライン・オペレーションについてはオーストラリアを世界でももっとも安全な社会にするため、世界でも最高の体制を目標としている」と語っている。

 議事堂職員は、「27日朝に電子メールが機能しないことに気づいたが、28日になるまでテキスト・メッセージの警報を受け取っていない。25時間以上も電子メールも使えなければスマート・デバイスのダイアリーも使えない状態が続いていたのに、IT担当者は28日中には回復できないと言っている」と証言している。

 ヘイスティー副大臣は、「このできごとはサイバー・セキュリティ問題でオーストラリアも油断していられないことを示している。全体が互いに協力し、全員が責任を負わなければならない。国内のビジネスも組織もこのような脅威に警戒心を持ち、デジタル主権を守るため必要な対策を採ることが重要だ」と語っている。

 3月初め、中国ハッカーと疑われるグループからマイクロソフト・ソフトウエアを標的としたサイバー攻撃が世界中で起きており、その時期にWA州の州議事堂内の電子メール・ネットワークがハッキング攻撃を受けている。
■ソース
Authorities investigate cause of crippling Federal Parliament IT disruption

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