急遽ファイザー・ワクチン2,000万用量追加契約

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50歳未満のアストラゼネカ・ワクチン不使用勧告に

 4月8日、医学専門家パネルのAustralian Technical Advisory Group on Immunisation (ATAGI)が連邦政府に、「アストラゼネカ・ワクチンは50歳未満には使わないよう」勧告したため、国内のコロナウイルス予防接種のほとんどを同ワクチンに頼る予定だった全国接種プログラムが大きく見直しを迫られている。

 4月9日、連邦政府は、50歳未満向けのワクチンとしてファイザー・ワクチンを2,000万用量追加注文契約したと発表している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 しかし、政府は、アストラゼネカ・ワクチンの国内生産量を5,000万用量としており、追加注文の2,000万用量の入荷時期が10月頃になること、これまでの接種体制を変更しなければならないことなど、接種プログラム後半で大きく変更を余儀なくされる可能性がある。

 4月8日まで、スコット・モリソン連邦政府は、自信を持って「2021年10月末までに接種を希望する国内の成人全員に最低1回は接種を済ませる」としていたが、9日の記者会見で、2021年クリスマスまでに接種を希望する国内の成人全員に最低1回は接種を済ませられるか、と質問されたモリソン首相は、「目下、そういうところにいない」と答えている。

 国内で新陽性者がほとんど皆無になっているオーストラリアの政府が接種を急ぐ背景には国境正常化の問題がある。経済を海外との貿易や人的交通に大きく頼っているオーストラリアは、連邦政府も州政府も1日も早い国境閉鎖解除やコロナウイルス社会規制緩和を望んでおり、14日間のホテル隔離を課すことなく海外との人々の往来をパンデミック以前の水準に正常化するためにはオーストラリア社会が集団免疫を獲得できることが望ましい。

 医学専門家やモリソン連邦首相は、「アストラゼネカ・ワクチンと血栓症の因果関係はまだ確定していないし、そのリスクは非常に低く、50歳未満の人にもリスクを承知してさえいればきわめて安全で免疫効果もある。50歳未満不使用は勧告であり、禁止ではない」との立場を明らかにしている。
■ソース
Millions to wait longer for vaccine despite new Pfizer deal

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