インドへは緊急救援物資輸送を計画
インドは1日に30万人以上がコロナウイルスに感染する大災害に発展している。そのため、連邦政府はインドからの渡航を禁止する一方でインドに救援物資を送る計画を明らかにしている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
この2日間、マーク・マクガワンWA州首相が、「WA州のホテル隔離はもう限界、インドなどのホットスポット地域に結婚式などの名目での渡航を許可し、ウイルスを抱えて帰ってくる人々を受け入れる連邦政府の方針は尋常な話ではない」と批判していた。
全国閣僚会議安全保障委員会(NSCS)は、4月27日に会合を開き、数日中にインドからの帰国フライトをすべて停止する考えを話し合うことになった。ただし、インドには、「インド・プレミア・リーグ」でプレーするクリケット選手などのオーストラリア国民が数多く滞在しており、その多くはインドのコロナウイルス大流行から逃れてオーストラリアに帰ることを希望している。
また、27日にはインドへの救援物資輸送も話し合うことになっており、酸素、呼吸器、個人保護具(PPE)などを送るが、ワクチンは送らないことが決まっている。
インドでは過去24時間に352,991人が感染し、2,812人が亡くなっているが、屋外で多数の死者を火葬しており、データもまとめられていない状況のため、現実には死者数ははるかに多いのではないかと考えられている。
そのため、この数日、インドの危機への対処を巡ってマリス・ペイン外相、バリー・オファレル駐印豪大使、保健省、外務貿易省、内務省などの職員が協議を続けてきた。
インド政府は、「酸素供給不足のためにコロナウイルス患者が呼吸困難に陥っている」として、酸素の供給を最優先に挙げている。
連邦政府はこれまでカンタスとエア・インディアでインド滞在中の国民の帰国支援を行ってきたが、先週には帰国者フライト30%削減を発表したばかりで、今週には100%の削減になると予想される。
また、グレッグ・ハント連邦保健相も、インドに酸素吸入装置を送る考えを明らかにしたが、フライトの全面停止を否定しなかった。
■ソース
‘Gasping for oxygen’: Australia considers banning all flights from India and will send emergency supplies