証拠の盗聴電話録音で前州首相が約束
10月28日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、NSW州の腐敗摘発独立調査委員会(ICAC)でのダリル・マガイア元州議会自由党腐敗議員の証言を伝えた。
10月に入って、NSW州の腐敗摘発独立調査委員会(ICAC)は、ダリル・マガイア元腐敗州議会議員の腐敗行為にグラディス・ベレジクリアン前NSW州首相がどの程度関わっていたか、財相、州首相の座にあったベレジクリアン氏が公職を利用した背任行為を行っていたかどうかを調査している。
これまでにベレジクリアン氏の前任だったマイク・ベアード元NSW州首相やジョン・バリラロ前NSW州副首相、元州首相職員らが証言しており、いずれもが、ベレジクリアン前州首相が財相時代にマガイア元州議会議員との男女関係を隠していたことに厳しい証言をしている。
10月28日には、腐敗が明るみに出て州議会議員を辞職しなければならなくなったマガイア氏自身が証言した。その中で、マガイア・ワガワガ選出州議会議員(当時)とベレジクリアン州首相(当時)との電話会話の盗聴録音が証拠品として再生された。
この日の調査委員会で、電話、テキスト・メッセージ、電子メールなどが証拠として出され、また、マガイア証人も、2人が結婚や子供を持つことも話し合ったと証言した。
10月29日にはベレジクリアン氏自身が証人席に座り、委員会の質問に答えなければならない。
しかし、28日には、証拠の盗聴電話録音が再生され、「(マガイア議員が推していたリベリア地域のクレー射撃場や音楽コンサーバトリウムの改善事業への)政府助成金交付に反対する州省庁官僚の決定を押し切ってワガワガ選挙区のためになることをいくつか知っている」と語っている。
また、2018年7月30日の電話会話では、ベレジクリアン州首相が、「もう議論したくない。ちょっと頭を冷やしたい」と言い、それに対して、辞職したばかりのマガイア氏が、「いいからワガに金をつぎ込んでもらいたい」と催促している。それにはベレジクリアン州首相が、「ワガにはたっぷりお金をつぎ込むわ。心配しないで。たくさんつぎ込むから。あなたの言いようにするわ。さもないとあなたにつぶされかねない」と答えている。この最後の言葉はマガイア氏が辞職したためにワガワガ選挙区で補欠選挙が始まることを指していると了解されている。
■ソース
Berejiklian said she would ‘throw money’ at Maguire’s electorate in private call