WA州首相、州境閉鎖解除への道程を発表
11月5日付ABC放送(電子版)は、マーク・マクガワンWA州首相の「WA州は12歳以上の住民の2回のコロナウイルス・ワクチン完全接種率が90%に達した後に州境閉鎖を解除する」との記者会見内容を伝えた。
マクガワン州首相は、「WA州で完全接種率が90%に達するのは2022年1月末か2月初め頃になる見込みだ。ただし、州境閉鎖解除の具体的な日程は完全接種率が80%を超えてから決めたい」と語っている。
さらに、「この条件で州境閉鎖を解除し、社会を開放していくのが、州民の健康、経済、生活に対してもっとも影響が小さいと思う。WA州はこれまで上手に切り抜けてきた。最後のハードルで転倒するようなことにはなりたくない」と語っている。
ただし、州境閉鎖を解除する時には、公共交通機関のような高リスク施設などでのマスク着用義務化など、州民の健康、経済、生活を守るために社会規制が敷かれることになる。
また、マクガワン州首相は、「完全接種率が80%に達するのは12月になるだろう」とも語っている。ただし、現在、最低1回の接種率は80%前後であり、2回の完全接種率は64%程度に留まっている。そのため、完全接種率が90%に達するためには今後WA州民のうち25万人が接種を受けなければならない。
オーストラリアは連邦政府を含め、ほとんどの州、準州政府が「コロナウイルス・ゼロ社会は不可能」と判断し、ワクチンで患者の重症化を防ぐことで「コロナウイルスとの共存」を図る社会を目指す方向に方針転換してきていたが、WA州だけは州境閉鎖解除や社会開放の具体的な道程を発表していなかった。そのため、連邦政府や他の州との接種率90%で州境閉鎖解除でオーストラリア全土が「コロナウイルスとの共存」を目指すことになる。
WA州で1月末か2月初めに閉鎖解除が始まれば、健康と安全のために社会規制の一部が再施行され、また、ナイトクラブ、カジノ、フットボールやコンサートなど、1,000人以上が集まるイベントの入場には接種証明提示が義務づけられる。また、遠隔地の先住民族コミュニティへの入域は、「必要がある場合に限る」制限が課せられる。
このような社会規制も「必要な期間の」一時的なもので、アウトブレークの発生を防ぐための対策としている。
■ソース
Mark McGowan announces plan for Western Australia to reopen border at 90 per cent COVID-19 vaccination rate