国境閉鎖解除に向けて接種率地域格差解消前提
11月6日付ABC放送(電子版)は、スコット・モリソン連邦首相の発表として、オーストラリア全国平均で16歳以上の人口の2回完全接種率が80%を超えたと報道している。
モリソン連邦政府が当初のもたつきから立ち直って、全国接種キャンペーンを始めた時から成人人口接種率80%は重要な目標だったことから、6日の発表でも、モリソン連邦首相は、「これもひとえに全国民の接種活動への努力のたまものと語っている。
また、モリソン首相は、未接種国民に対して、できるだけ早く接種予約するようにと呼びかけているが、接種率80%に達すると未接種者はもともと接種に乗り気ではない人がほとんどという段階で、今後それほど接種率が伸びることはないと思われる。一方、州、準州はそれぞれの規制解除の道程を編成発表している。
モリソン首相は、「80%は5人に4人が接種を済ませているということだ。これは掛け値なしでオーストラリア国民の快挙だ。病院の看護師、医師、ヘルスケア・ワーカー、薬剤師、全国の接種促進活動に関わったすべての人々に感謝の言葉を贈りたい」と語っている。
一方、不均衡の方は、16歳以上の人口の完全接種率は、ACTが最高で95%近い接種率に達しており、NSW州が90%を超えている。一方、NT、WA州は完全接種率が65%と低迷しており、次いでQLDが66%、SA州が69%となっている。
そのため、NSW、VIC両州とACTは州境閉鎖を解除し、海外からの渡航者の受け入れも始めているが、WA州の場合には規制を緩和するのも2022年1月末から2月初めになることが予想されている。
しかし、モリソン首相はWA、QLD両州のプログラムを理解しており、「両州は間もなく最低1回接種率80%に達する」と語っている。
それでも、11月5日の全国閣僚会議で連邦、州、準州の首相、主席大臣が、「今後、国内全体の規制が緩和されていく段階でワクチン接種率の低い先住民族コミュニティでアウトブレークの危険が懸念される」と発言しており、各政府が、今後アウトブレークが起きた場合の対応を、特に接種率の低い郡部や遠隔地域でのアウトブレークに対する対応計画を来月中にまとめることになっている。
■ソース
Scott Morrison hails vaccine milestone as double-dose vaccination rate hits 80 per cent for Australians over 16