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インナーウエスト・ライトレール代替バス長期運行計画

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オーストラリアの車両建造海外依存体制にも批判

 10月、シドニー市内セントラル駅からピアモント、リリーフィールド、ハバーフィールドを抜けだリッジヒル駅に至るライトレールのインナーウエスト線で使っているスペイン製のトラム全12両で台車アーチ部分に亀裂が見つかったことで修復のため、運行再開までに18か月かかると発表されている。その間の代替バス運行の料金をどうするかでドミニク・ペロテイNSW州首相が、「利用者が負担すべき」と発言した。

 最近のオーストラリアではコスト節約のため、車両を海外メーカーに発注することが普通になっているが、毎回何らかの問題が起きており、その度に開業が遅れたり、沿線のプラットフォームを改造しなければならない結果になっている。

 11月8日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えている。

 従来、ごく一時的な代替バス運行の場合、運賃無料が通常だが、今回は長期に及ぶため、ペロテイ州首相は、18か月間、専用バス路線を設定し、通常運行同様オパール・カードのタップオン・オフで料金徴収が妥当としている。一方、州運輸局はバス代替運行については無料化を考えている。しかし、この路線を無料化した場合、これまで他の公共交通手段を使っていた通勤者がこの路線を利用して交通費を節約することも起きると考えられている。

 さらには、シドニー・インナー・ウエストとシドニー・ウエスト・バス営業区では賃金を巡る労使紛争が続いており、この時期に1,000人を超えるバス運転手がストライキに入る可能性も出ており、11月8日には両営業区でバス・ドライバーがスト権行使を含め、賃金引き上げ要求などの項目を支持している。

 さらに同日には州議会野党労働党のクリス・ミンズ党首が、「海外依存体制では運行が阻害され、コストも節約できず、しかも州の雇用が失われるという最悪の事態になる。州営交通はめちゃくちゃだし、車両購入体制もめちゃくちゃだ。このインナーウエスト線の車両故障と長期運休はスキャンダル・レベルだ。その上に、ペロテイ州首相は、不便を受けているインナーウエスト住民からバス運賃を徴収するとしており、住民にとっては泣き面に蜂だ」と語っている。

 ミンズ労働党党首の批判に対して、ペロテイ州首相は、「NSW州には車両建造能力はない。しかし、政府は今後車両建造事業を展開する上で何が必要なのかを検討するつもりだ「と語っている。
■ソース
Inner west commuters to pay for bus trips replacing cracked trams

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