ただし、電気自動車普及の補助金制度は否定
11月8日付ABC放送(電子版)は、連邦政府が民間企業と提携し、国民の電気自動車(EV)購入を促すため、全国5万世帯の家庭に充電所を設置する資金を提供する計画を検討していると報道した。
充電設備設置の資金提供で3年間に2,600人の雇用を創出することになると見込んでいる。また、政府はEVのコスト引き下げには蓄電池技術の向上が不可欠としている。
一方、業界グループによると、長年待たれていたFuture Fuels戦略には、EVへの移行を促す補助金制度、優遇税制、販売台数目標や最低燃料排ガス基準などは含まれておらず、同戦略には、「補助金制度でEV所有コストを引き下げることは納税国民にとって、とりわけ、業界が電池技術の展開によって電池型EV価格を引き下げようとする場合には何の益にもならない」と述べている。
しかも、スコット・モリソン連邦政府は、排ガス削減の大まかな方針として「税金よりも技術開発で」を唱えており、このFuture Fuels戦略もそれに沿ったものになっている。
同戦略には、どこでどのようにして雇用が創設されるのか具体的なことは書かれておらず、単にEV市場を維持するために必要とされるサプライ・チェーンや製造部門で雇用の機会が生まれるとするに留まっている。
また、政府の投資で企業は充電ステーションを市街地に限らず、周辺地区や郡部にも広げることでその地域の人々にも電気自動車導入の意欲を促すことになると主張している。
ただし、保守連合は、2019年総選挙時に労働党が「2030年までに自動車販売台数の50%を電気自動車にする」という公約を、「電気自動車は充電所が少ないから遠出できない。市民が週末に出かけることを妨げる政策だ」として、「a war on the weekend」と批判していたいきさつがあり、今回も、補助金や税制優遇で電気自動車購買意欲を高める制度は発表していない。
■ソース
Government commits to expanding electric vehicle charging stations but no subsidies to increase uptake