義務づけられた接種期限内に受けず帰休処分中
NSW州では、パラメディックス、看護師、医師などの医療労働者2,000人ほどが政府の定めた期限内にコロナウイルス・ワクチン接種を受けなかったため、すでに帰休処分中になっている。今後、接種を受けなかった理由を説明しなければならなくなり、正当な理由と認められなかった場合には解雇処分もあり得る。
11月12日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
NSW州医療労組(HSU)のジェラード・ヘイズ書記長は、「正当な理由なくコロナウイルス・ワクチン接種を拒否する医療労働者に対して、州政府は解雇の決定を下す日が近づいている」と語っている。
ヘイズ書記長によると、NSW州の14万人の医療労働者のうち、1,000人程度が今後何週間かのうちに解雇される可能性もある。彼らは10月末に帰休処分を受けており、各雇用者から、「理由説明」を求められることになるとしており、また看護師労組だけでもその数は1,000人に上ると言われている。
さらに、「この雇用問題の決定は今週か来週には出ると思うが、医療労働者全体から見ればごく少数だ」と語っている。
NSW州保健局広報担当官は、「ワクチンに対する考えを理由として10月後半以来これまでに215人が退職している。これからの何週かの間に同じ理由で何人が辞職するか直ぐに分かると思う。地域保健管区は各労働者の個別の事情を審査しなければならず、全被雇用者に対して正当な手続きを経なければならない」と語っている。
NSW州南部チュマットのパラメディックス、ジョン・ラーター氏が、カソリック信者であることを理由に接種免除の訴えを州最高裁に起こし、同時にパラメディックスに接種を義務づけた公衆衛生命令を無効と主張していたが、11月10日にはクリスティーン・アダムスン判事が原告の敗訴を判決した。アダムスン判事は、原告の宗教的信条が真正な信心であることは認めたが、パンデミックに対するカソリック教会の公式声明とはかけ離れていると判断した。カソリック教会はコルナウイルス・ワクチンの使用を認めている。
NSW州保健局の機関に働く労働者の95%が2回の完全接種済みであり、まだ1回しか受けていない者も加えると98%を超えている。同局広報担当官は、「これまでにワクチンを理由に退職した者は215人で全体から見ればごくわずかだ。1人でも辞職者が出るのは残念なことだが、各保健管区は現場で混乱が起きないように計画を建てている」と発表している。
NSW州教育省は、「まだ2,500人の教師が接種状況を報告していない。また、700人ほどが医学的な理由で接種免除を申請し、350人が免除を認められ、職場復帰を許された」と発表している。
■ソース
Hundreds of health workers at risk of job loss over COVID-19 jabs