極右政治家やニセ接種証明医師も参加
11月13日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、同日メルボルンで行われた「パンデミック法反対・特定職種の接種義務化反対」デモに千人を超える人が集まったと伝えている。
このデモは毎週末3回目で、メルボルン都心部の街路を行進し、アメリカの極右サイト「QAnon」のデマ宣伝をそのまま流す参加者、コロナウイルス関係のデマ情報をメディアで伝えていたために遂に連邦自由党を追い出され、クライブ・パーマー氏の政党の統一オーストラリア党党首におさまったクレイグ・ケリー連邦議員、VIC州議会のバーニー・フィン自由党議員らが演説した。
パンデミック法はすでに州議会下院を通過しており、上院にかけられることになっている。反対派は来週からはVIC州議事堂前で抗議キャンプを続けると発表している。
また、デモ参加者は、3人分の絞首台みこしを担いだり、ダニエル・アンドルーズ州首相殺害脅迫を叫んだりしている。
スローガンなどの中には、ドナルド・トランプ前大統領支持者が唱えていた「政治家とペドフィリアの陰謀」やVIC州政府をナチ呼ばわりしたり、政治家に対する暴力を煽動する内容、宗教的なメッセージや象徴を掲げるものもあった。
ケリー議員の演説では、参加者の間から、「ケリー、ケリー、ケリー」のかけ声があがったと伝えられているが、ケリー議員は、「我々は、きちがいじみた異常なカルトに加わる医学官僚らに支配されている」と演説した。
フィン議員は、「この法案は凶悪であり、間違っている。なんとしても廃案に追い込まなければならない。独裁者ダンは皇帝になりたがっている。もうたくさんだ」と演説した。フィン議員は、ワクチン接種記録に虚偽を記入してきた疑いで捜査を受けているマーク・ホバート医師を支持する発言も行った。
かつての人気グループ、シーカーズのメンバー、ブルース・ウッドリー氏の娘でやはり歌手のクレア・ウッドリー氏もQAnonの陰謀論をそのまま演説し、「父の書いたI am Australiaを、このいまわしいサタンの虐待儀式の被害者達に捧げる」と発言した。
法案については、法曹界の60人が連名でVIC州議会に公開状を送り、法案は政治家に白紙委任状を与えるものだとして、修正または反対票を要求している。
一方、人権弁護士のヒュー・ド・クレツァー氏は、「反対論は間違っているところもあるし、大げさに騒ぎすぎている。この法案は完全ではないが、現在の法制の不備を是正するものであり、パンデミック時の手続きの公明性と責任所在性で、現在の法制よりもセーフガードが整っている」と法案批判に反論している。
■ソース
Thousands take to Melbourne’s CBD to protest against new pandemic laws, vaccine mandate