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フィリップ・ロウ中銀総裁がビジネス・エコノミストに講演

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ローン抱える給料生活者に明暗両面の予想

 11月16日、フィリップ・ロウ中銀(RBA)総裁がシドニーのビジネス・エコノミストのグループの前で講演した。

 同日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 ロウRBA総裁の今後3年ほどの予想では、住宅ローンを抱える給料生活者にとってはありがたい予想とあまりありがたくない予想が交錯している。

 まず、ロウ総裁は、2022年に政策金利が上がることはほとんど考えられず、また、2024年まで上がることもあまり考えられない。特に世界各国で急激なインフレや賃金の上昇を招くような要因もオーストラリアではかなり抑え込まれている、としているが、同時に、RBAの予想にはかなり不確定な部分もあると語っている。

 さらに強調して、「私が2,3週間程前に言ったことを繰り返すが、最新のデータや予報では、2022年の政策金利引き上げはあり得ない。我が国の経済やインフレが予想シナリオからかなり外れた結果にならない限り、来年にRBA理事会が利上げを検討することはない。RBA理事会はいつでも辛抱強く待ち続けることができる。2024年より前に政策金利引き上げを始めることはまず考えられない」と語っている。

 同時に同じことが賃金上昇率にも当てはまり、「国内労働力率は依然として高いままで、企業内労使協定や年間最低賃金引き上げ率などは、賃金総額上昇の動きがかなり不活発なまま続くことを示している。賃金上昇が始まることは予想されるが、かなりゆっくりとした調子になるだろう」と語っている。

 さらに、「インフレ率がRBAの目標帯域である2%から3%という数値におさまるためには賃金上昇率が3%強にならなければならない。しかし、2023年末頃までインフレ率がその水準になるとは予想していない。政策金利引き上げを2024年まで考えていないというのもそのためだ」としている。

 アメリカ、イギリス、ヨーロッパではインフレも賃金上昇率も場合によっては何十年ぶりという高い水準になっているが、それというのもコロナウイルス・パンデミック後のキャリアを考えて転職が増えているが、オーストラリアではそのような現象があまり強く起きていない、と語っている。
■ソース
RBA governor Philip Lowe delivers good and bad news for borrowers with jobs

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