元顧問の訴えでアラン・タッジ議員、大臣休職
12月2日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、連邦閣僚のアラン・タッジ教育相は、過去に男女関係のあった元大臣顧問から、「2人の関係は心理的虐待関係だった」との訴えが出たため、大臣職を休職した。
女性はタッジ大臣の元メディア顧問レイチェル・ミラー氏で、「大臣と男女関係にあった時期、大臣から心理的虐待を受けており、一度は身体的虐待も受けた」と訴えたことから、タッジ大臣は閣僚の席から外れた。
タッジ氏はVIC州選出下院議員を務めており、ミラー氏の訴えを否認しているが、スコット・モリソン連邦首相がタッジ氏に、「首相内閣府が調査する間、閣僚の席を外すよう指示し、タッジ議員も了承した。
同日、ミラー氏は、1年前にABC放送の時事番組「Four Corners」で報道された2人の関係について自ら明らかにしたい、と声明を発表しており、その動機として、ジェンキンズ報告に盛り込まれた連邦議会職場風土粛正勧告をモリソン政権が間違いなく全面的に実施することを望むからだ、と述べている。
モリソン首相は、「ミラー氏の訴えについてタッジ議員と話し合った。タッジ議員は訴えの内容を否認している。しかし、訴えの深刻さを考慮すれば、この問題を公正かつ迅速に解決すべきだと考える。そのためにも、首相内閣府の調査中は、タッジ議員には大臣の職から離れておいてもらうことが必要だ」と語った。
ミラー氏の訴えに関する調査は、ビビアン・トム元情報安全保障局総監が担当し、タッジ氏に大臣行動規範違反がなかったかどうかを審理する。また、タッジ議員が教育相の席を外している間は、スチュアート・ロバート雇用担当大臣が教育相を兼任する。
12月2日朝、ミラー氏は連邦議事堂において記者会見の場で声明を読み上げ、「1年前、アラン・タッジ大臣との関係は同意に基づくものだったが、それに留まらず複雑な事情が加わっていた。当時、私は恥辱と屈辱、恐怖と疲労感でいっぱいだった。彼は優しい時もあり、楽しい会話を交わすこともできたし、困難な時もあったが一緒に成し遂げられることもあった。しかし、そのようなことは大勢の女性が知っているように、虐待を伴う関係でもあり得ることだ。過去を振り返ればいい思い出ばかりだったと思い込みたいものだ」と語っている。
一方、タッジ議員は、「私は、ミラー氏の側の主張を全面的にきっぱりと否定する。2017年には2人とも明らかにしているように双方の同意に基づく関係があった。思い返せば残念なことではある」と発表している。
■ソース
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