NSW州地方自治体選挙当日開票分
12月4日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、同日行われたNSW州地方自治体選挙で、クロバー・ムーアシドニー市長が歴史的な5選を果たすことが確実になってきたと伝えている。
シドニー市議会選挙ではムーア現市長を含め、候補者5人全員女性というこれも歴史的なできごとになっており、ムーア氏は得票率を減らしながらも5期目に入ることになった。
この日の地方自治体選挙では各地の自治体議会選挙で500万人近い有権者が投票した。
ムーア氏に対する有力候補としてはアボリジニ出身者としては初めてシドニー市長に立候補しているイボンヌ・ウェルドン候補、労働党のリンダ・スコット候補らがおり、ムーア氏の実績を評価しながらもそれを受け継ぐ新しい市長をという声も高まっていた。
今回の地方自治体選挙は、124自治体議会選挙がコロナウイルス・パンデミックのため、2度にわたって延期になり、さらにオンライン投票システムが短時間クラッシュする事故も起き、投票所には長い列ができるなどの波乱もあった。
この地方自治体選挙でもっとも激しい選挙戦が繰り広げられたのがシドニー市長選だったが、同4日夜、ムーア市長は支持者や選挙ボランティアを前に、「この選挙で、私達がこれからも力強く、政党に縛られない進歩的なリーダーシップを続けていくことを信任された。12月6日夜にはオンライン投票システム、iVotesの投票集計が発表されることになるから選挙結果がはっきりするだろう」と語った。
今回のシドニー市長選当日開票分でムーア現市長が42%、ウェルドン、スコット両候補がいずれも16%前後で、2016年の選挙ではムーア氏の得票は58%だったから、得票率を大幅に減らしているが、それでも2位3位を大幅に引き離している。
ただし、ムーア現市長を囲む無所属市議チームは1議席減らし、10議席のうち4議席に留まる見通しになっている。
スコット労働党市長候補は、ムーア現市長に祝福の電話を送ったが、「労働党市議候補全体で得票を倍加しており、選挙前の1議席から今回は2議席を確保する可能性が高い」と語っている。
リバプール市長選はネッド・マノウン現自由党市長がネイサン・ハガティ労働党候補を僅差で抑えている。また、元連邦自由党重鎮のフィリップ・ラドック氏がホーンズビー市長に返り咲く見通しも高まっている。インナーウェストは市議会全5地区で労働党と緑の党が首位争いを続けており、バルメイン地区ではダーシー・バーン前市長が新人のコビ・シェティ候補をわずかに引き離している。
■ソース
Sydney lord mayor Clover Moore set to secure fifth term despite swing against her