規制解除からパーティ・シーズンに向けて陽性者急増
12月9日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、「NSW州の規制緩和以来パーティその他人の集まるイベントを感染場所にしてコロナウイルス陽性者が急増しており、これからクリスマスなどのパーティ・シーズンが近づくにつれ、自宅隔離措置を受ける人が何万人にもなるのではないか」との声を伝えている。
また、2回の接種を受けた完全接種者がブースター接種を受ける時期になっており、これからの夏季休暇時期に40代50代の人々が大急ぎでブースター接種を受けるようになると予想されている。
12月8日午後8時までのコロナウイルス検査で420人が陽性と判定されており、この数字は10月13日以降で最大の数字になっている。また、8人がオミクロン株国内感染と発表されており、NSW州のオミクロン株感染者は42人にのぼっている。
そのうち、3人は12月3日午後にシドニー・ハーバー・クルーズ船上で開かれた「90年代ダンス・パーティ」参加者で、同パーティでの感染者はさらに増えると予想されている。また、ボンダイのバックパッカー・ホステル「ノアズ」でもコロナウイルス感染者が発生したため、12月9日午後にロックダウン命令が出ている。
NSW州政府のブラッド・ハザード保健相や保健当局は、これから感染力の強いオミクロン株の蔓延が予想されるため、ブースター接種資格ができ次第直ちに接種を受けるよう呼びかけている。一方、12月9日には、ファイザー社が、「ごく少数の研究室規模の研究で、ファイザー・ワクチン3回の接種でオミクロン株にも効果が示された」と発表している。
一方、今週初めにはケリー・チャント主席医務官が、「豪州予防接種技術諮問グループ(ATAGI)が、ブースター接種を2回目の接種から5か月後に接種する柔軟性も考えるよう勧告を変更しており、オミクロン株の感染が完全接種者にも広がっていることから、3回目のブースター接種を前倒しで受けることも必要だ」と語っている。
さらに、NSW州北部海岸の低接種率地域では11人が新たに陽性と判定されたため、マランビンビー高校が休校になり、バイロン地区でもいくつかのレストランが「感染が憂慮される施設」に指定されている。特に、感染者が出たバイロン・ベイのナイトクラブ、Woody’s Surf Shackでは客の一部が未接種者の疑いがあり、保健当局も憂慮している。
■ソース
Tens of thousands likely to be in isolation for Christmas