コロナウイルス・オミクロン株蔓延の気配に対応
12月11日付ABC放送(電子版)は、連邦政府の発表として、2回目接種とブースター接種の間隔を6か月から短縮すると伝えている。
ワクチン接種実施手順などを連邦政府に提出する専門家グループの豪州予防接種技術諮問グループ(ATAGI)は、これまでブースター接種の時期を2回目の接種から6か月経過後としていたが、コロナウイルスのオミクロン新変異株は現在主流になっているデルタ株などより感染力が強いというデータが現れており、将来的にはデルタ株を抑えてオミクロン株が主流になると予想されている。また、完全接種者でもオミクロン株に感染しやすいが比較的軽症で入院することもまれとのデータが出ている。
そのため、ATAGIでは、2回目接種からブースター接種までを1か月前倒しにして2回目接種から5か月経過する時点でブースター接種予約ができるようにしている。
現在、67万人が既にブースター接種を済ませており、今回のATAGIの変更で100万人以上の人が直ちに接種を受けられるようになる。
連邦のポール・ケリー主席医務官は先週にも、ブースター接種の時期を早める必要はないと発表したばかりだった。しかし、それ以降にオミクロン株の感染力の強さなどが世界各地からのデータで明らかになってきていた。
その他、ATAGIがモデルナ社のワクチンの国内使用を承認したことが伝えられている。
モデルナ・ワクチンのブースター接種用量は最初の2回の用量の半分で充分であり、供給があれば薬局やクリニックでも受けられるようになる。
連邦政府は最近にモデルナ・ワクチンを2,500万用量購入契約を済ませており、そのうち1,500万用量は2022年前半にブースター接種用として予約されている。
グレッグ・ハント連邦保健相は、「オーストラリア国内のすべての人にブースター接種するため、ファイザー、ノババックス、モデルナなどのワクチン合計1億5,100万用量の供給を契約で確保している。ATAGIの承認でいつでもブースターを提供できる態勢ができている」と語っている。
■ソース
Booster access brought forward to slow spread of Omicron COVID-19 variant