コロナ規制一部復活したペロテイNSW州首相発言
12月28日付ABC放送(電子版)は、ドミニク・ペロテイNSW州首相が、「検査の混乱や感染者の爆発的増加でも、ロックダウンの廃止や規制の大幅解除を後悔していない」と発言したことを伝えている。
NSW州のコロナウイルス規制緩和・廃止の直後からデルタ株・オミクロン株感染者の爆発的な増加が始まり、検査を求める市民が検査所に殺到して待ち時間が数時間に及ぶことになったり、一旦は規制解除で営業を再開したビジネスが店員の感染や思わしくない客足のため、自主的に政府補償なしで休業せざるを得なくなるなどの問題が報道されている。
この州社会の混乱に対して、ペロテイ州首相は、「自分はメディアのコメントなど気にしていない。州社会は強力に進んでいる。2022年の州社会には万全の自信を持っている」と語った。
シドニー市内、セント・ビンセント病院系列の臨床検査会社SydPathは、陽性だった900人以上の市民の検査結果を間違えて陰性と通知し、後に陽性と訂正する混乱も起きており、検査から通知まで最悪6日間もかかる事態になっている。
12月27日午後8時までの24時間に6,062人がコロナウイルス陽性と判定され、557人が入院し、60人がICUで治療を受けるなど徐々にコロナウイルスの被害は拡大しており、その大半は新種のオミクロン株とされている。
ペロテイ州首相は、12月15日の規制緩和直前に感染力の強いオミクロン株が蔓延の兆しを示していたにもかかわらず、規制緩和を断行し、その直後にシドニー・ハーバー・クルーズやニューカッスルのナイトクラブなどの群衆を介してウイルスが急速に広がる結果になった
その後、ペロテイ州政権は規制の復活要求に抵抗していたが先週末には屋内でマスク着用義務やQRコード・チェックイン義務、屋内施設での一人あたりの面積確保や入場制限を復活している。
それでも、2GBAM放送番組に出演したペロテイ州首相は、「規制緩和決定はいい決定だった。今後も同じことを繰り返すつもりだ。メディアのコメントなど気にしていない。目の前にある情報に集中するだけだ。ブラッド・ハザード保健相も私も目の前にある証拠に集中するだけだ」と答えている。
また、「州の市民は多大な犠牲を払ってきた。クリスマスもサマー・ホリデーもすべて台無しになったことは残念なことだがNSW州は苦境を切り抜けられる。問題を解決しなければならない時には一気に解決することができる」と発言している。
■ソース
NSW Premier does not regret relaxing restrictions despite COVID-19 testing chaos, rising case numbers