大晦日控え、昨日の全国合計に迫る数字
12月31日付ABC放送(電子版)は、NSW州政府の発表として、12月30日午後8時までの24時間に148,410人を検査し、21,151人が新たにコロナウイルス陽性と判定されたと伝えている。また、6人が亡くなっている。
NSW州のコロナウイルス陽性者発生が前日の2倍近くに跳ね上がるというのは過去3日間で2回目であり、前日の全国合計に匹敵する数字になっている。また、研究機関のモデリングで、「今後1か月で1日25,000人の新陽性者発生もあり得る」と予想されていたが、1か月を経ずに現実になりつつある。
また、6人の死者のうち、まったくの未接種者は1人だけだった。シドニー都市圏西部の80代の女性はFitzgerald Aged Careで感染し、亡くなっている。また、レーク・マコーリー沿岸のトロント地区のKilpatrick Court高齢者介護施設に入居していた70代の男性も亡くなっている。シドニーの90代の男性がロイヤル・ノース・ショア病院で、70代の男性がコンコード病院で亡くなっている。接種1回だけの60代の女性もリバプール病院で亡くなっている。リバプール病院で亡くなったシドニー都市圏南西部の70代の男性はまったくの未接種だった。
入院患者も832人に増えており、うち69人がICUに収容され、19人が酸素吸入装置を着けている。この69人のうち39人が未接種だった。
このような爆発的な感染の広がりだが、ドミニク・ペロテイNSW州首相は、「我が州の医療体制は堅調。州全体もコロナウイルスを迎え撃つ態勢ができている。感染者数の伸びに不安になっている市民も多いが我が州は大丈夫だ。以前にもこのような苦境を乗り越えてきた。今回もまた乗り越えられる」と語った。
しかし、ペロテイ政権のブラッド・ハザード保健相は、「州医療体制は重圧に苦しんでいる。2,000人以上の職員がコロナウイルス感染や濃厚接触で職場を休んでいる」と事実を認めている。
州議会野党労働党のクリス・ミンズ党首は、「グラディス・ベレジクリアン前州首相は、規制緩和の前に準備と計画を怠らなかったが、ペロテイ現州首相は、マスク着用義務やQRコード・チェックイン廃止に見られるように十分な準備も計画もなく規制緩和を急ぎすぎている。しかも、ペロテイ現州首相は、この困難な時局に当たって州政府がやることは何もないかのような発言をしている。コロナウイルスと共存するというのは政府なしで暮らすこととは違う」と批判している。
■ソース
NSW daily COVID-19 case tally nearly doubles again with 21,151 infections, six deaths