シンガポールのパイン国防相、共産党政権に苦言
1月28日、シンガポール滞在中のクリストファー・パイン国防相が、中国共産党政権に対して、「南シナ海における中国の活動が地域の不安を煽っている」と苦言を呈したことが報道されている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
パイン大臣は、「北京政府は南シナ海において責任ある行動を取り、外交においてもロシア政府のような『力は正義』というやり方をまねないように」と諫めている。
シンガポールでの会合で基調演説を行ったパイン大臣は、「中国の成長と繁栄を妨げようと考える国はない。しかし、中国政府には緊張の高まっている南シナ海での活動を再考するよう願いたい。同海域の岩礁に軍事基地を構築している中国の行為は周辺国家群の相互信頼を浸食し、不安を煽っている。国際法に則って南シナ海の領土紛争を解決することで、中国が万国の権利の尊重という原則を支持し、推進する意思があると認められるようになる。力を持つ国は責任も大きい。そのように、中国も南シナ海で責任ある態度を取るよう望む」と語った。
また、「オーストラリアは、中国政府に対して、南シナ海が公海であることを改めて認識させるためにも必要とあれば多国共同活動を支持することを約束する」と述べた。
また、「オーストラリアは中国を抑えることに興味はないが、インド洋・西太平洋諸国が経済的利益と国家主権のどちらかを選ばなければならなくなるような事態を望まない。現在の米中緊張は現代の二大国間競争といえるが、これが新しい冷戦の始まりとは思わない。冷戦という考えに基づいてこの地域を二極分化することは、繁栄と国防を対立物と考える誤った考えを導くゆえに失敗に終わるだろう」と語っている。
また、名前を挙げることは避けたものの、ロシアが2014年にウクライナのクリミアを併合したことについても遠回しに批判し、ウラジミール・プーチン・ロシア政権を法の支配を脅かすオリガーキーと呼んだ。
■ソース
Christopher Pyne says China has raised regional ‘anxiety’ over its activities in the South China Sea