クライストチャーチ・モスク大量射殺事件コメントで
極右講演家のマイロ・イアノポウロス氏から、講演ツアーのオーストラリア入国査証交付申請が出されており、国内には扇動的な極右発言で知られる同氏に対する懸念が広がっていたが、保守連合政府は査証発給の方向で決まっていた。
しかし、3月15日にニュージーランドのクライストチャーチ市でオーストラリア出身の極右白人人種主義者と2人のニュージーランド人が市内2箇所のモスクを半自動ライフル銃5挺で襲撃、乱射し、49人を殺害、40人近い被害者が今も病院に入院している事件に関する同氏のコメントを理由に政府は査証交付を拒否した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
クライストチャーチ・モスク大量射殺事件に関して、イアノポウロス氏は、「イスラムは野蛮で異質な宗教」とコメントしており、連邦政府のデビッド・コールマン移民相は、「ソーシャル・メディアでの同氏のコメントはオーストラリア国民の間に憎悪と分裂を持ち込むもの。犯人はムスリムの平和な祈りの場で殺戮を行った。オーストラリアはニュージーランドともまた世界中のムスリム社会とも共同して、この非人間的な行為を弾劾する」と語り、同氏のオーストラリア入国を認めないことを明らかにした。
労働党のトニー・バーク連邦下院議員は政府の決定を称賛したが、「マイロ入国禁止。よろしい。しかし、彼の今回の発言はいつもの発言とまったく違いがない。以前から既に彼の入国を禁止する証拠は十分にあった。世界のヘイト・スピーカーのオーストラリア・ツアーをすべて禁止すべきだ」と語っている。
2017年12月、メルボルンでの同氏の講演会に抗議の左翼グループと講演会支持の右翼とが衝突し、VIC州警察が同氏に5万ドルの特別警備費を請求したが未払いのままになっている。
極右講演家の同氏はツイッターから追放されており、極右メディアのブレイトバート主任編集員を辞任し、さらに25万ドルの印税が入る予定だった著書も担当編集者自身が内容を酷評するありさまで出版契約が取り消された。
現在は同氏の負債は200万ドルにのぼるとされているが、本人は400万ドルだと豪語している。
■ソース
Milo Yiannopoulos banned from entering Australia following Christchurch shooting comments