メルボルン・パークビルの女性殺害容疑者逮捕さる

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その裏にホームレス、障害者福祉不足の問題

 メルボルン市内北部パークビルの公園で女性の殴打死体が発見された事件で警察はヘンリー・ハモンド容疑者(27)を逮捕した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 被害者のコートニー・ヘロンさん(25)はホームレスで家族や友人の家を泊まり歩く「カウチ・サーフィン」だったといわれており、殺害される前に元のボーイ・フレンドに電話をかけたがボーイ・フレンドにつながらなかった。ヘロンさんがむごたらしい殴打を受けた形跡があるとの報告に家族はショックを受けている。

 ハモンド容疑者は遺体発見翌日の5月26日に逮捕、事情聴取を受け、即日、殺人容疑で起訴され、メルボルン簡裁に出廷した後、9月出廷を命じられ、そのまま留置場に移された。また、容疑者は、被害者と同じようにホームレスで、「過去に多動症候群(ADHD)と診断され、いくつかの治療薬の処方も受けていた。自閉症スペクトラム障害を持ち、妄想性障害がある」との申し立てにより、ドナ・バコス簡裁判事は、直ちに容疑者の精神鑑定をするよう命じた。

 ハモンド容疑者の弁護を引き受けたバーニー・バーマー弁護士は、廷外で、「かなり複雑な事情の重なった悲惨な状況だ」と語っている。

 アンドリュー・スタンパー警部は、「被害者は5月24日夜または25日未明に現場の公園で襲われたと考えられる。凶器が使われたかどうかはまだ明らかでなく、また性的暴行を受けた証拠は見つかっていない」と発表している。

 さらに、「被害者はドラッグ歴や精神障害もあり、あちこちを泊まり歩いていた様子だ。野宿もしていたようだが事件のあった公園で野宿していたかどうかは明らかになっていない。5月14日に被害者が警察に連絡しており、メルボルン西部のセント・アルバンズ地区で生存が確認されているが、警察はその後の足取りを調べている。また、家族とはごくたまにしか連絡を取っていず、断絶があったようだが、家族が自分達の子供を愛していなかったということではない。この事件の被害者も家族の崩壊を抱えていた」と語っている。

 この事件で、ホームレスの人々を支援する団体、Melbourne Homeless Collectiveがヘロンさんの葬儀のために一般市民の寄付を募っている。

 ダニエル・アンドリューズ州首相は、「市民の安全を守るため、警察の勧告をすべて実行する」と語っている。

 また、Council to Homeless Personsは、「ホームレスの女性は男性に比べてはるかに暴力を受けやすい立場にある。低所得の女性にとって住むところを見つけることは非常に難しい。ホームレスの人々を収容する宿泊施設はすでにどこも満員だ」と語っている。

 先週、VIC州政府は2022年までに1,000戸の公営住宅を建設する計画を発表している。
■ソース
Parkville murder accused Henry Hammond appears in Melbourne court charged with killing Courtney Herron

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