数日中にも開発工事開始か
6月13日付ABC放送(電子版)は、QLD州ギャリリー炭田にアダニ社が計画しているカーマイケル炭鉱開発に対して最終的な環境基準認可がおりたと伝えている。
QLD州政府の環境科学省が、アダニ社の地下水管理計画を承認したもので、同社の計画に対するQLD州政府の許認可項目はこれですべて認可が済んでおり、連邦政府の許認可項目は既にすべてクリアしているため、数日中にも炭鉱開発工事が始まると予想されている。
過去1年半の間、アダニ社は10件を超える地下水管理計画書を作成、提出してきた。しかし、これまでの計画書は、主要環境要求条件を満たしておらず、その中には、自然のままの砂漠のオアシスとしては世界最後の一つとされるドゥーンマブラ・スプリングズ・コンプレックスの破壊を避ける計画もあった。
5月18日の連邦選挙で労働党がQLD州で惨敗したことから、アナスタシア・パラシェイ労働党QLD州首相は、「アダニ社の炭鉱開発計画が連邦・州双方で遅らされてきたことにうんざりしている」と語り、環境科学省に対して新しい認可期限を与えていた。
6月13日の認可は、絶滅危惧種のブラック・スローテッド・フィンチ保護計画に対して環境科学省が認可を与えてから2週間近く経っている。
この認可でアダニ社の鉱山開発計画が進められることになったが、石炭をボウエンの北にあるアボット・ポイント石炭積出ターミナルまで輸送する鉄道建設についてはまだ計画が完成していない。
カーマイケル炭鉱は燃料炭年産6,000万トンの認可を受けているが、現在の計画では年産2,750万トンにとどまっている。また、開発期間中は1,500人程度を雇用することになっている。
2018年、豪自然保護財団(ACF)が、「連邦政府はアダニ社の河川水源利用計画に対する2000件の意見書を適切に評価していなかった」として連邦裁に訴え、勝訴していたが、今日の認可で炭鉱開発を阻止することはできなくなったと認めている。。
ギャリリー炭田地方には他に6件の炭鉱開発計画認可申請が出されている。しかし、カーマイケル炭鉱に隣接する鉱区で中国企業が炭鉱開発を無期限に棚上げしている。
■ソース
Adani mine gets final environmental approval for Carmichael mine