自由党議員発言にABC「移転経費倒れになる」反論
ABC放送本社の郡部移転のアイデアは、マイケル・マコーマック国民党党首が主張していたが、6月20日にはQLD州選出のジェームズ・マグラー自由党上院議員が「ABC放送はシドニー、メルボルン、ブリスベンの敷地を売り払い、郡部に施設を移せ」と主張したことを伝えている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
マグラー上院議員は、「州都のABC放送建物不動産額は何億ドルにものぼる。これを売り払い、都心部のカフェラテ地域から出て、郡部に本社を置き、また、連邦財政赤字補填に貢献すべし。現代の技術をもってすれば、3都心部のABCF放送の作業の大部分はブリスベン郊外やQLD州郡部でも容易に行えるはず」と語った。
マグラー上院議員の発言は、マイケル・マコーマック国民党党首で連邦首相代理が、「ABC放送は本社をシドニー都心から地方に移転すべし。地方都市には空き家になっている不動産物件がたくさんある。ABC放送も地方中心都市に移転し、シドニー都心部などに陣取っているよりも安上がりに運営できるはずだから巨額の経費節減が可能だ。また、番組作りでも地方に投資すれば、現在よりも安上がりにできるはず。そうすればABC放送も今のような批判を受けずに済むはず」と発言したことを受けている。
ABC放送の広報担当者は、「ABC放送がシドニーやメルボルンに活動を集中させているのは効率の問題があるためで、これまで何度も政府から予算削減を受けてきたABC放送は複数の支社をつくって番組制作を分散させる経済的余裕はない。都市集中どころか、ABC放送は国内の農村部、郡部48箇所に放送局を展開しており、これほど大規模に農村部、郡部の情報活動に尽力しているメディアは他にない」と語っている。
さらに、「コミュニティを結び合わせるという計画では、2017年以来、1億5,400万ドルの年間資金増額により、全国で80件ほどの番組コンテントを追加し、農村部、郡部の番組取材や番組放送を強化してきた」と政治家に反論している。
■ソース
ABC should sell Sydney, Melbourne and Brisbane properties and move to regions, senator says