DV根絶運動支持者、「和解不可能な意見の違い」
2019年初めに一人の女性に執拗にハラスメント行為を続けたとして訴追されているジョン・セツカVIC州CFMEU支部書記長の労組会合での発言がメディアに取り上げられたことに端を発し、アンソニー・アルバネージ労働党と10余りの支持労組とVIC州CFMEUやセツカ支持労組との間の対立が強まっており、セツカ氏やセツカ氏を支持する一部の労組は労働党への党費納入や献金を停止すると威嚇している。しかし、セツカ氏の労組のショーン・リアドン副書記長が、「和解不可能な意見の違い」を理由に辞任を発表しており、近代的な労働党を目指すアルバネージ労働党への追い風になっている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
労組職員や労組員に電子メールで辞任を伝えたリアドン氏は、「つらい思いで辞任を決めた。非常に圧力を受けて辞めるのではない。むしろ、この決心は、私の人生の信条に従って考え、家族と話し合って決めたことだ。私のリーダーシップを信じてくれた人々には申し訳ないが、私が大事にしている信条に関わる問題で執行部内で一致協力できないのならこれ以上留まることはできない」と述べている。リアドン氏は労組内でドメスティック・バイオレンス根絶運動支持者として知られている。
2015年、セツカ氏とリアドン氏は建材企業ボラル社との紛争にからんで脅迫罪で逮捕、起訴された。起訴は2018年に取り消され、2人は複数の企業役員を相手取って訴訟を起こしている。
これまでにCFEMUの他、WA州のMUA、鉄道市電バス労組(RTBU)、電気労組(ETU)、豪製造労組(AMWU)、合同消防士労組(UFU)などがセツカ氏支持を発表しているが、特に女性労組員の多い職種など10を超える労組がセツカ氏批判をしており、アルバネージ党首も、「セツカ氏除名の決断は、彼の長年の言動が労働党の名を汚してきたことに基づいている」と語っている。
セツカ氏にはいくつもの暴力や脅迫などの犯罪歴がある上にメルボルンの暗黒街犯罪者との交際などもよく知られており、「粗暴な労組」のイメージを産んでいる上に保守連合政権の労組潰しの口実にもなっているとの危機感が労働党内にある。
■ソース
John Setka’s Victorian CFMEU deputy Shaun Reardon resigns over ‘irreconcilable differences’