米民間航空管理当局が米航空の空域飛行禁止
アメリカとイランの間の緊張が高まっており、イラン側が米軍の無人偵察ドローンをミサイルで撃墜し、ドナルド・トランプ米大統領が、「ドローン撃墜はイラン側の深刻な誤り」と発言し、「米軍にイラン攻撃命令を出したが、発進直前に攻撃でイラン側の死者は100人を超えると説明されたため、攻撃中止命令を出した」と発言するなど危機的な状況になっている。
アメリカの民間航空管理当局(FAA)が米民間航空会社に対して、ホルムズ海峡、オマーン湾などを含むイランの制空権空域の飛行を禁止する緊急命令を発令した。この事態に対して、カンタス航空は自発的に同空域の飛行を見合わせることになった。
FAAは、「ドローン撃墜当時、同空域にはかなりの数の民間航空機が飛行中だった。このように飛行機の往来の激しい空路付近で2国の緊張関係が高まることに警戒する必要がある」と発表している。
カンタス航空のロンドン路線ではシンガポール経由もパースからのノンストップ便もイラン空域を通過している。同航空の広報担当者は、「追って発表があるまで、ホルムズ海峡、オーマン湾を避けて飛ぶことになる。同航空は湾岸地域を避けて飛ぶ場合にはしばしばイラク上空の空路を選んでおり、飛行時間への影響はほとんど無視できる程度」と発表している。
シンガポール航空などはシンガポールとヨーロッパの間でイラン上空を飛んでいることが伝えられている。また、21日午後1時にカタール航空、エティハド航空などが今回の禁止空域を制止していることが伝えられている。
FAAの指令はオーストラリア国籍の航空機には適用されず、またオーストラリア航空当局は民間航空会社に対して飛行経路を指示する権限はないため、国内各航空会社はそれぞれの安全管理制度に従って決定することになっている。
■ソース
Qantas to re-route flights after US ban on Iran