ABCスポーツ・コメンテータが保守著名人名指し
ABC放送のスポーツ・コメンテータで自身がアボリジニ出身でもあるチャーリー・キング氏が、「AFLのアダム・グッズ選手はアボリジニ出身として有力だったために観客のブーイングや保守派コメンテータらの人種差別攻撃を受け、引退を余儀なくされた」と発言した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
また、キング氏は、AFLに対してもアボリジニのアンパイアを養成し、オーストラリアのフットボール・ファンがグッズ氏の早すぎた引退から学んだかどうかを計る尺度にするよう要求している。
AFL/VFLでは、1970年代後半から80年代前半にかけて、アボリジニ出身のアンパイア、グレン・ジェームズ氏が在籍していたが、一貫して激しい人種差別を受けていた。
ABCラジオ・ダーウィンで発言したキング氏は、チャネル10が放映したグッズ氏に関するドキュメンタリー「The Final Quarter」を引用し、「グッズはパワーがあり、才能があり、尊敬され、誇りを持っていたから余計に差別者の激しい憎悪を受けた。AFLのジロン・マクラクランはグッズが耐えなければならなかった人種差別に対して本当に意味のある対応をしてはどうか?」と語った。
また、キング氏は、グッズ氏に対する人種差別行為で責任の大きい3人として、人種差別発言を続けたニューズ・コープのコラムニスト、アンドリュー・ボルト、フットボール・コメンテータのサム・ニューマン、コリングウッド・フットボール・クラブのエディー・マクガイア会長の名を挙げている。
2013年、マクガイア氏はメルボルン・ラジオで、「グッズはキング・コング・ミュージカルの宣伝に使ってもらえばいい」と発言し、後に謝罪しているが、キング氏は、「マクガイアは度重なる失言放言にもかかわらず生き延びてきた」と語っている。
保守論客で知られるボルト氏は、「先住民族選手で観客のブーイングを浴びたのはグッズだけだ。ブーイングが人種差別感情によるものならどうして他の先住民族選手はブーイングを受けなかったのか? またはグッズがグラウンドで戦いの踊りを演じて観客を威嚇したのもばかげた行為だ」と発言し、実質的にブーイングを支持した。
ドキュメンタリー放映後、AFLは「人種差別を防ぐことができなかったことを無条件に謝罪する」と発表している。
■ソース
Adam Goodes ‘cut down’ by racist booing because he was powerful, says commentator Charlie King