アラン・ジョーンズの暴言にスポンサー企業が拒否反応
シドニー地域で常に聴取率トップを誇ってきた保守派AMラジオ・パーソナリティ、アラン・ジョーンズ氏の天下に翳りが出てきた。
気候温暖化問題で、「(石炭依存を明確にした)オーストラリアは太平洋島嶼に答えなければならなくなるだろう」と発言したニュージーランド(NZ)のジャシンダ・アーダーン首相を、自分のラジオ番組で罵倒し、「スコット・モリソン首相は、アーダーンの口に靴下を詰め込んでやればいい」と発言したことがきっかけになり、スポンサー企業が拒否反応を示し、続々とスポンサーを打ち切り始めている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えている。
ジョーンズ氏が番組を持つ2GB AM放送局はマコーリー・メディアが所有しており、マコーリー・メディアの過半数をチャネル・ナインが所有、またチャネル・ナインはシドニー・モーニング・ヘラルド紙も所有している。
8月17日にはラッセル・テート・マコーリー・メディア会長がジョーンズ氏と直接話し合い、最後通牒を手渡したことが伝えられていたが、その背後には企業が続々とスポンサーを降りる事態が進んでいた。
8月19日にスポンサーを打ち切ったことが発表されたのはマットレス・ブランドのコアラ、国際的なジム・フランチャイズのエニータイム・フィットネス、ハードウエア小売企業トータル・ツールズなど。
15日のジョーンズ氏の問題発言に反応して16日にME銀行がジョーンズ氏の番組での広告を取りやめている。同日午後にはジョーンズ氏が「自分の発言が誤解されている」との声明を出したが謝罪はしておらず、16日朝にもアーダーン首相中傷発言を続けている。しかし、同日遅くにはアーダーン首相への詫び状をしたため、2GBで公開謝罪している。
しかし、その時にはすでにME銀行が、「ジョーンズ発言を深刻に捉えている。彼の発言は当社の理念を反映するものではなく、2GBにも当社の懸念を伝えて広告を取りやめた」と発表しており、さらにベッド小売企業のSnoozeも広告取りやめを発表していた。
その陰には、「メディアでの民族差別、偏見、女性蔑視などの問題に対して広告主に圧力をかける」戦術を採るSleeping Giantsと、女性解放運動のMad F—ing Witchesの働きかけがあるとされている。
■ソース
Alan Jones losing more advertisers in wake of attack on Jacinda Ardern