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NSW州公立学校、孔子課堂プログラムを廃止

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中国政府出資の国家宣伝的授業内容

 NSW州教育省は、これまで州公立学校で行われていた中国政府出資の言語文化授業プログラム「孔子課堂」を廃止し、教育省が独自に編成した授業を行うと発表した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 この授業プログラムは州内13校で行われており、中国政府機関の漢辦(Hanban)が直接に出資している。また、中国政府が、「優秀な政治的資質」と「祖国に対する愛」を備えていると判断した者を助教諭として雇用している。

 孔子学院を公立学校に導入しているのは世界でもNSW州に限られている。

 教育省の調査でも、このプログラムが中国の政治的影響を浸透させる活動を行ってはいないと結論が出ているが、孔子学院が州教育省に好ましくない外国政府の影響をもたらすおそれを感じさせる要因がいくつか見られたとしている。

 報告書は、「公立学校に孔子学院の活動を招いているのは世界でもNSW州教育省だけであること、中国政府の任命した人物を州教育省に送り込ませるようになること、また外国政府の任命した人物が自国の省に入り込むことも問題だが、自国において検閲制度を敷く一党独裁政権が任命した人物を民主主義国家の省に入り込ませることはさらに問題がある」としている。

 また、「中国政府の代表者が教育委員会に出席することも外国政府の影響を受ける疑惑を生む問題がある」としており、さらに、「漢辦からの資金が教育省、特定学校、特定職員にわたることは、学校や職員が孔子課堂の助教諭らの特定の活動を見て見ぬ振りすることにつながるおそれがある」としている。

 また、「助教諭は漢辦が選別し、その任命過程で教育省にはほとんど発言権がないことも問題が大きい」としており、中国系オーストラリア人の保護者は、「この授業は中国共産党をNSW州公立教育に浸透させるものだ」と語っている。

 州教育省は、漢辦との契約の切れる2019年12月をもってこのプログラムを廃止することを決めた。また、代替として、120万ドルの予算で教育省の編成する中国語授業を行うことを明らかにした。
■ソース
NSW schools to scrap Confucius Classroom program after review

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