オーストラリア「482 TSSビザ」から「482 SIDビザ」への変更/豪州ビザ・法律最新事情

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 思い起こせば、現政権が移民政策の刷新を発表したのが2023年末のことでした。そして昨年5月に連邦予算案の中で同年末までに大幅な482ビザの改正を行うと発表され、それがいつになるかと思っていたところ、11月23日、482ビザのマイナー・チェンジが行われ、これで年内の改正は終わりかと思った矢先のこと。ついにその日はやって来ました。

 なんと24年12月7日、多くの人が子どもたちの学校の終業やたまっていたガーデニングに追われる週末の土曜日、まるで気付かれないようにそっと、これまでの「482 TSSビザ」が「482 Skills in Deman(SID)ビザ」に差し替えられるという改正が行われました。

 下記がその改正の要点となりますが、関連する実務経験に関しては「申請前5年間における職歴」という制限がなくなるという話もありましたが、そのまま残される結果となりました。

【3つのストリーム】

■Core Skills Stream

・「CSOL – Core Skills Occupation List」に該当する職種が含まれていること
・指定する職種におけるスキル証明ができること
・5年の内1年、フルタイム相当の関連する職歴証明ができること
・最低給与額7万3,150豪ドルでの雇用であること
・英語力(IELTS 5.0)の証明ができること
など

■Special Skills Stream

・「AMZSCO – Australian and New Zealand Standard Classification of Occupations」のMajor Group 1、2、4、5、6に属する職種でのビザ申請であること
・指定する職種でのスキル証明ができること
・5年の内1年、フルタイム相当の関連する職歴証明ができること
・特殊スキル収入基準額13万5,000豪ドル(※2025年6月30日までとし、その後見直される予定)以上での雇用であること
・英語力(IELTS 5.0)の証明ができること
など

■Labour Agreement Stream

 上記2つのストリームが該当しない場合、雇用主とオーストラリア政府が労働協定を結ぶことで特別な条件下でのビザ申請が可能(例:DAMA – Designated Area Migration Agreementsを使った482ビザ申請)。

 最大4年のビザが発給されることとなり、3年の内最低2年間、コンディションに沿った就労ができれば、諸条件を満たすことで永住ビザの申請が可能になります。なお、今回発表されたCSOL職種リストは482 SIDビザのCore Skills Streamを検討する場合のみ使われる職種リストになります。

アドバイザー

清水 英樹

清水 英樹

オーストラリアQLD州弁護士。在豪30年以上。地元大学卒業後、弁護士資格を取得。フェニックス・グループCEOとして傘下にあたる「フェニックス法律事務所」、ビザ移民コンサルティング「Goオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、交通事故ならびに労災を専門に扱う「Injury & Accident Lawyers」を経営

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