ジョーンズ氏への最後通牒後も広告解除止まらず
午前中のAM放送聴取者電話番組のホストで政界にまで権勢を誇っていた保守系ラジオ・パーソナリティ、アラン・ジョーンズ氏の周辺に変化が進んでおり、番組の2GB AM放送局を所有するマコーリー・メディア社が、同番組の全面的見直しをすると約束する事態になっている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ジョーンズ氏はこれまでにもクロヌラ人種暴動の際に自分の番組を使って白人の若者にクロヌラの暴動に加わるようそそのかしたり、スポンサーの商品を個人的な意見のように見せかけて勧めたり、QLD州の実業家一家が死者を出したロッキヤー・バレーの洪水に責任があると番組で指弾して名誉毀損で敗訴するなど、その度に莫大な罰金や賠償金を言い渡されてきた。その度にしばらくは広告主が離れてもやがて戻ってくるのがこれまでのパターンだった。
しかし、太平洋島嶼国が気候温暖化への対策をオーストラリア政府に要請したのに対してスコット・モリソン豪首相がこれを拒絶、ジャシンダ・アーダーン・ニュージーランド首相がオーストラリア政府を批判した。ジョーンズ氏が自分のラジオでアーダーン首相を罵り、「モリソンはアーダーンの口に靴下を詰め込んでやれ」と発言した。
ジョーンズ氏の暴言には政界与野党から批判がわき上がり、ジョーンズ氏も謝罪したが、スポンサーが広告を見合わせる動きが止まらず、マコーリー・メディアも、「もう一度暴言を吐けば契約を打ち切る」とジョーンズ氏に最後通牒を渡した。ところがそれでもスポンサー離れは止まっていない。
9月13日付のニュースは、マコーリー・メディアがラッセル・テート会長名義で広告主団体に書簡を送り、「アランの番組を巡って、先には当社の判断に誤りがあった。このような事態の再発を防ぐため万全の努力を払う」と述べていることを伝えている。
ABC放送はジョーンズ氏にも直接問い合わせており、ジョーンズ氏からは、「この問題については経営者が対応している。自分は仕事をこなしていく」と答えている。
ソーシャル・メディアを舞台としてジョーンズ・ボイコットを呼びかける運動も続けられており、すでに100社を越えるブランドがジョーンズ氏の番組の広告契約を打ち切っている。
■ソース
Alan Jones 2GB breakfast program under ‘full review’ as owner writes to advertisers