「風刺を描くと面白く思わない人が必ずいる」と作者
シドニー市内チペンデールで壁画に灰色で上塗り
NSW、QLD、VIC、SA、WA、TAS各州でブッシュファイアが燃え広がっているさなか、スコット・モリソン連邦首相が家族でハワイ休暇をしていたことが明らかになると批判が殺到した。それを受けて、モリソン首相が急遽帰国したが、何日もせずにシドニー市内チペンデール地区の民家の壁にモリソン首相を皮肉る壁画が現れた。しかし、それから数日で何者かが壁画を灰色のペンキで上塗りして消してしまうという事件があった。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
壁画はアーチストのスコット・マーシュ氏が描いたもので、アロハシャツ姿にサンタ帽をかぶったハワイ気分のモリソン首相が炎に取り囲まれており、吹き出しに「メリー・クライシス!!」と書かれている。
12月24日に描き終えたマーシュ氏自身が壁画の写真をインスタグラム投稿した。しかし、27日には再びマーシュ氏のフェースブックにビデオを投稿し、灰色に上塗りされている壁画を映している。
マーシュ氏は、「いつでも誰かが不愉快に感じ、上塗りしてしまう危険はつきもの。しかし、楽しんだ人は多かっただけに残念なことだ。しかし、おかげで壁画がさらに話題になるから結構なことだ。それに今ではオンラインでもっと大勢の人が眼にすることができるし、壁画が消されればさらに好奇心を煽ることになる」と語っている。
そればかりか、マーシュ氏は、壁画をコピーしたTシャツやコピー・プリントの販売を始めており、利益は全てブッシュファイア消火活動を続ける郡部消防局に寄付されることになっている。これまでにすでに$15,000以上の寄付金が集まっており、消火活動を続ける消防局ボランティアらに配られる。
これまでに壁画に対する反応がかなりあったがいずれも壁画を支持するもので、大勢の人々の気持ちを代弁しているものになっていた、とマーシュ氏は語っている。
■ソース
Hawaiian-themed mural of Scott Morrison painted over