豪伊勢エビ水産業新型コロナウィルス蔓延で大打撃

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恒例の旧正月祝賀がどこも中止騒ぎで需要崩壊

 中国武漢の闇市場で発生したと見られる新型コロナウィルスの急激な展開で中国では13都市が封鎖され、1,200人を超える患者が出ている。また、死者はすでに56人に達しており、以前には「心配ない」と言われていたこの新型ウィルスも、習近平主席が、「深刻な脅威」と宣言するに至っている。

 そのため、中国国内では旧正月祝賀気分も冷め、その余波でWA州の伊勢エビ水産業が大打撃を受けている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 中国の旧正月のお祭りでは伊勢エビが人気のごちそうだが、ウィルスの蔓延を食い止めるためどこも人の集まる祝賀を中止しており、中国バイヤーも注文を取り消している。そのため、伊勢エビ輸出産業では世界最大といわれるジェラルドトン漁業協同組合は出荷を余儀なくされ、価格も実質的に暴落している。

 ジェラルドトン漁業協同組合はWA州の伊勢エビ水揚げ量の60%を占めており、先週まで堅調に価格を上げていっていたが、突然の予約取消・出荷停止で価格はゼロ・ドルになっている。

 同協同組合はマット・ラターCEO名で声明を発表し、「出荷停止になったのは協同組合始まって以来のできごとだが、中国政府が病気の蔓延を食い止めるため迅速果断な措置を取ったことは素晴らしいことだ。この事態が収拾され、伊勢エビ市場への影響も短期で終結することを期待している」と述べている。

 また、中国への伊勢エビ輸出は続けられるが、現在の水揚げ量に対して中国国内での需要減退があり、輸出を続けると商品がだぶつくことで中国国内価格や市場への下げ圧力が高まる怖れがある」と述べている。

 ただし、同協同組合では、「伊勢エビは理想的な状態でタンクの生け簀に何週間も飼うことができるため、国内市場で価格が大きく下がることはない」と語っている。TAS州では水揚げの直売で$50/kg程度だが、ジェラルドトンの協同組合では中国で好まれる大ぶりな個体が$105/kgの値をつけている。
■ソース
WA crayfish industry halts exports as coronavirus shuts down Lunar New Year celebrations

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