マスクは病原体をまき散らさないためには効果
コロナウイルスが世界的に大流行することも必至とされており、東アジア圏の外でもマスクをする人が増えている。しかし、医療専門家は、「マスクなどしても効果なし。使い方を間違えれば逆効果。しかもN95規格などの買いあさりでマスクを高値で転売する者まで現れ、医療関係者が困る結果になっている」と警告している。
ABC放送(電子版)は、コロナウイルスの広がりに対して一般人のできる対策として、何よりも手洗い励行と適切な洗い方を紹介している。
コロナウイルスは感染患者の咳やくしゃみでつばや鼻汁が細かい水滴になって飛ばされることで広がる。その水滴が手すりやテーブルなどに付着し、それを健康な人が手で触れ、その手で顔に触れ、口、鼻、眼の粘膜に触れることで広がっていく。あるいは健康体の人が水滴を直接吸い込んで広がる。
医療専門家は、普通のマスクではウイルスを吸い込むことは防ぎきれず、効果のあるマスクを着用していては日常生活に差し支える。したがって手を介して感染することがもっとも効果的だとしている。
ウイルスは細胞と違って他の生物の体内でないと生き残れず、数時間、最長でも9日で死滅するが、コロナウイルスは手すりやテーブルなどの表面で数時間は感染力があるとされている。しかし、手についても感染するわけではなく、その手で顔に触れると、口、鼻、眼などの粘膜を通して体内に入ることができ、感染の原因になる。
マスクをすると、それだけ手で顔に触れる機会が増え、特に眼をこすったりするとてきめんに眼から血液に入ることができる。NSW大学の医学部生が参加した実験では平均して1時間に23回も手で顔に触れていた。
これらのことから、一般人がコロナウイルス感染を防ぐ最も効果的な手段はよく手を洗うこととされている。手を洗うのもアルコール・ベースのハンド・サニタイザーの他、石けんやそれもない場合には水でもいいが、最低20秒は洗わないと効果は弱い。また、手洗いはコロナウイルスだけでなく様々な感染症予防に効果がある。
抗菌をうたっている石けんの効果は実証されておらず、水洗いの場合にはためた水ではなく流水が望ましい。また、石けんで洗った場合もよくすすぐことが大事とされている。アルコールで拭く場合は少なくとも60%以上のアルコール水が望ましい。
■ソース
Hands are important in containing coronavirus and now is the time to start good hygiene habits