米教派のオーストラリア支部、漂白剤販売で罰金

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トランプ発言受け、「コロナウイルス治療薬」で販売

 アメリカに本山のある教派のオーストラリア支部が漂白剤をコロナウイルス治療効果と称して宣伝販売していたことから、医薬品管理局(TGA)が捜査を始めていたが、5月13日付ABC放送ニュースで、「TGAが同教会に15万ドルを超える罰金を言い渡したことが伝えられている。

 問題の教会は「Genesis II Church of Health and Healing」と名乗る国際的な教派のオーストラリア支部で、水道の殺菌、漂白、空間消毒薬などとして使われている二酸化塩素をMMS(奇跡のミネラル溶液)と称してコロナウイルス治療などのうたい文句で宣伝販売していた。

 同教会のアメリカ本部ではリーダーがMMSには「奇跡的な治療効果」があると称している。

 捜査の結果、TGAは同教会オーストラリア支部に対して12件の違反通告書を発行し、$151,200の罰金総額を言い渡した。

 同教会はこれまでもMMSを、自閉症、ニキビ、がん、糖尿病に効くと宣伝しており、今はさらにコロナウイルスも対象に加えている。しかし、オーストラリアのTGAは二酸化塩素を人間用としては認めていない。

 同教会のオーストラリア支部(MMSオーストラリア)のウエブサイトでは、この二酸化塩素を「浄水剤」として販売しているが、ABC放送の「7.30」の調査が報道されると、TGAでもMMSオーストラリアに対して、MMSその他の医薬の広告について「違法広告」と判断した。

 TGAでは、二酸化塩素を含んだMMSを服用した場合の害を懸念しており、一般市民に向けて、「MMS広告内容を信じないよう」医薬安全問題のウエブサイトに注意を掲載した。

 モナッシュ大学の件・ハービー公衆衛生学准教授は、過去10年間、オーストラリア国内でのMMSの販売を禁止するようTGAに求めてきており、「とても危険な薬物であり、過去に死亡事故も起きている。MMSは今も同団体の製品の宣伝販売を行っており、しかも、『これは教会の秘跡であり、医療薬ではない』とまで書いている。ウエブサイトを直ちに削除すべきだ」と語っている。

 報道以後、TGAでは、「MMSが5月14日までに広告を削除しなければTGAは連邦裁判所に差し止め請求を出す」と発表している。
■ソース
Church in Australia selling bleach as a coronavirus treatment fined $151,200

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