駐中豪領事館、男性に領事援助の連絡も取れず
数年前にオーストラリア人男性俳優が中国の空港で「覚醒剤密輸出未遂」現行犯で逮捕され、法廷で死刑判決を受けていたことが判明した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ABC放送の調べによると、男性、カーム・ギレスピー氏は2013年12月に広州白雲空港で飛行機に乗ろうとしたところ、チェックされた荷物から7.5kgを超える量のメタンフェタミンが発見され、その場で逮捕された。
さらに、広州中級人民法廷のウエブサイトは、6月10日にギレスピー氏が死刑判決を受けたことを報じている。
オーストラリア政府の外務貿易省(DFAT)の広報担当官は、「中国で勾留されているオーストラリア人男性に領事援助を行っている。オーストラリはどんな場合でも誰に対しても死刑に対して反対しており、この事件の判決を非常に残念に思っている。オーストラリア政府はあらゆる機会に世界の死刑制度廃止を追求していくものだ。男性についてはプライバシーを尊重し、これ以上の説明は避ける」と語っている。
2014年に222kgのメタンフェタミンを中国からオーストラリアに密輸しようとしたカナダ人のロバート・シェレンバーグ被告人が2019年初めに死刑判決を受けた事件でもオーストラリア政府は中国の死刑制度に懸念を表明していた。
中国では毎年何千人も処刑しており、中には無実の者も含まれている。また、処刑者の実数も「国家機密」扱いで中国外では推定数しか出ていない。当時、サイモン・バーミンガム外相代理の「非常に懸念を抱いている」との発言に中国政府外交部長が、バーミンガム発言を内政干渉とはねつけている。
オーストラリア政府のDFATでは、「領事館が領事援助を提供しようとしているが男性に連絡を取ることもできない」と発表している。
■ソース
Australian sentenced to death in China for smuggling meth in checked flight luggage