企業即戦力の学科分野では学費引き下げも
6月19日、連邦政府のダン・ティーハン教育相は、「大学の学費を大幅に見直し、人文科学系学科の学費を倍額にするところもあれば、大幅に引き下げたところもあり、学生が将来の就職に向けて市場の需要の多いコースを選択するよう仕向ける」と語った。
ABC放送(電子版)が伝えた。
「高等教育大幅見直し」によれば、人文系やコミュニケーション関連学科の学費は法学と同じ学費枠になる。ただし、すでに受講申し込みを済ませた学生については新しい学費体系を適用しない。
毎年この時期になる入学申し込みがずれ込み、州によっては、2021年度の入学申し込みが従来の倍になると見られている。
ティーハン連邦教育相は、「2023年までには国内学生受け入れ枠を39,000人増やす」と語った。
現在、コロナウイルス・シャットダウンで海外旅行ができないことや就職状況が悪化していることなどから、従来12学年生は卒業後、大学入学を遅らせ、ギャップ・イヤーと呼ばれる休暇を取るケースが多いが、今年は2021年入学予定が2万人増えている。
ティーハン大臣は、「現在、世界大恐慌以来の就職難が迫っている。しかも、その影響は若い世代に大きくのしかかっている。若い世代に対しては私達が将来的な雇用に向けて機会を与えなければならない」と語っている。
農学、数学は62%の減額、教師、看護師、臨床心理学、英語その他の語学は46%の減額、科学、保健、建築、環境科学、IT、機械工学は20%の減額、医学、歯学、獣医学は変化なし、法学、商学は28%増額、人文科学は113%増額などとなっている。
大学が企業の要請に合わせる傾向が強まっていることには批判もあり、今回の連邦政府の学費体系変更はこの企業要請に完全に沿ったものとして批判が強まることが予想され、人文系のコースの学費が$45,000かかるとなると入学生が大幅に減ることが予想され、学部自体が成り立たなくなる可能性もある。
■ソース
University fees to be overhauled, some course costs to double as domestic student places boosted